我が家には、飼い始めて10年ほどになるクサガメの「カメちゃん」がいます。
運動不足解消のため、時折リビングなど水槽の外に出すのですが、首を伸ばして左右をキョロキョロ。周囲を見回していたかと思いきや、私を見つけるやいなや、こちらに向かってコトコトと近寄ってくるのです。
私が歩く方向を変えると、カメちゃんも同じように方向を変えてこちらにコトコト……。さらに方向転換をしても、私を追いかけるようにコトコトと近づいてくるのです。
そのスピードは、まるで走っているかのよう。しかも、我が家の床はフローリング製なので、カメちゃんが一歩踏み出すたびに、甲羅のお腹側(腹甲・ふっこう)が床に当たってカタッと音が鳴るんです。カメちゃんが走るたび、「カタ! カタ!」と軽快な甲羅音が鳴り響きます。
有名な童謡『もしもしかめよ』(※1)の歌詞に「せかいのうちで おまえほど あゆみののろいものはない♪」なんてありますが、思わず「どこがやねん!」とツッコみたくなるほどの素早さ。
「もしかして、足の甲がカメっぽい形だから、仲間だと思って追いかけてくるのか?」
そう思った私は、カメちゃんのもとを離れてトイレの中へ。しばらく隠れたのち、そーっと扉を開けてみると……。扉の前で待っているんです! なんて可愛い!
「これはもう、完全に懐いているでしょう!」そう確信した私は、兵庫県神戸市にある「マリンピア神戸さかなの学校」で校長を務める大鹿達也校長のもとへ。