SNSによる誹謗(ひぼう)中傷が、深刻な社会問題となっています。人気ブロガーが、Twitterで自身に寄せられた攻撃的なツイートに対して「いいね」を返すと何が起こるのかを調査し、自身のブログとTwitterで結果発表。その驚きの調査結果は、4万いいねを集めて話題となりました。
投稿したのは、2015年から運用開始し、月間平均100万PVを誇る人気ブログ「ゲムぼく。」。Twitter(@gamebokusan)のフォロワー数は3万人を超えますが、読者が増えるにつれて、攻撃される機会も増えていったといいます。
自身のことを「メンタルがバランスボールの上でやるジェンガよりもろい」と語るゲムぼく。さんですが、いつの頃からか、自身に対しての攻撃的なツイートを見かけたら、極力「いいね」をするようにしているといいます。理由として、攻撃的なコメントの中には、行動否定と人格否定(誹謗中傷)が混在していると分析。「この記事はダメだ」と「お前はダメだ」は全然違う話で、言い方の問題はあるにせよ、前者はむしろ参考にすべき意見である可能性がある、と語ります。
そこで、攻撃的に見える発言をすべて「叩き」「アンチ」とひとくくりにせず、自分の糧にしたい……と思って始めたのに、「いいね」をしたツイートをさかのぼると、なぜかツイートを削除されたり、ブロックされたりしているケースが何件か続いたそうです。
この現象に興味を持ったゲムぼく。さんは、過去2年間に「いいね」した攻撃的なツイートが今どうなっているのかをさかのぼって検証。なお、ツイートはすべてスクリーンショットを撮っていたため、削除されていてもしっかり確認できたとのこと。
リプライ、引用ツイート、DMで教えてもらったものやエゴサーチなどで見つかった攻撃的なツイートを合算したところ、計27件ありました。そのうち、ツイート削除が11件、削除かつブロックが4件、アカウント削除が1件となり、計16件(59.2%)が消えていたという結果が出ました。
そしてさらに攻撃的なツイートを、「記事がつまらない」などの行動否定と、「気持ち悪い」などの人格否定に分類してクロス集計。すると、人格否定(誹謗中傷)は27件中17件(62.9%)となり、そのうち14件は既に消されてしまったツイートに該当。「いいね」を受けてツイートを消した人は、約80%が人格否定の発言をしていたという結果になりました。