【橋本】 畑中さんはチャンスをつかんだラッキーガールだったわけですね! 師匠と弟子……私が中将さんとデュエット曲を出すようなもんですね(笑)。
【中将】 僕は菜津美ちゃんになんも教えてないけどね(笑)。それはさておき、この曲はオリコンウイークリーランキング1位、年間ランキング7位の大ヒットに。その後も平尾さんと畑中さんは1年間に「エーゲ海の旅」「サンフランシスコ行き」「ヨーロッパでさよなら」をリリースしています。
これで大スターとして羽ばたいていくかと思われた畑中さんですが、1979年のソロデビュー直後に音楽ディレクターと結婚して引退。たった8か月で離婚してヌードグラビアやにっかつロマンポルノで復帰を図るという香ばしい展開になってしまいます。そして伝説のエロ歌謡「後から前から」(1980)リリースに至るわけですね。
【橋本】 そうか! あの曲も畑中さんでしたね……「カナダからの手紙」とは曲のイメージが違いすぎて頭の中でつながりませんでした(笑)。
【中将】 お次は、石川優子さんとチャゲさんの「ふたりの愛ランド」(1984)。オリコン・ウイークリーランキング3位、1984年度年間ランキング16位の大ヒットで、1980年代の若者に歌われまくったデュエット曲です。
【橋本】 これはTikTokで流行りそうな感じですね! 昭和のデュエット曲って酒場の香りしかしないと思ってたんですけど、これは爽やかだし夏らしいポップみを感じます。
【中将】 この曲はJAL'84 沖縄キャンペーンソングだったんです。「銀座の恋の物語」(1961)や「居酒屋」(1982)みたいなアダルトな感じじゃなく、若者が口ずさめるデュエット曲を作ってほしいという要望にこたえてチャゲさんが曲を書きました。
はじめチャゲさんが歌う予定はなかったそうなんですが、石川さんが歌いやすいキーを決めたところ男性パートがかなりの高音になってしまい、結局チャゲさんが男性パートを担当することになりました。こんなキーが出る男性歌手なんてなかなかいないですからね。
【橋本】 私も男性がどうやってこんな高いキーで歌うんだろうって思いながら聴いてましたけど、軽々と出てましたね!
【中将】 チャゲさんの軽々とした感じにつられてフツーの男性が歌おうとしたら、高すぎて声が裏返っちゃうという、いわくつきのデュエット曲なんです(笑)。
【橋本】 それどうなんですか(笑)。でも最近、TikTokで高音ボーカルにチャレンジしている男性が多いので、ぜひこの曲も歌って欲しいですね。ちゃんと歌える人がいたら一緒にデュエットしてみたいです。
【中将】 興味ある人はぜひ名乗り出てほしいですね。
【中将】 そして、次にご紹介するのは田原俊彦さんと研ナオコさんが「Toshi & Naoko」名義で歌った「夏ざかりほの字組」(1985)。当時、田原さんと研さんは『カックラキン大放送!!』(日本テレビ)などのテレビ番組で多数共演する仲良しさん。1980年代特有のアンニュイなメロディーで難しい曲ですが、ぴったり息の合ったパフォーマンスでオリコン・ウイークリーランキング週間5位、1985年度年間ランキング54位のヒットになりました。
【橋本】 仲良しのスターがコラボレーションして結果を出すってカッコいいですね! そう言えば絢香さんとコブクロさんが「WINDING ROAD」(2007)を歌った時は衝撃的だったなって思い出しました。
【中将】 その頃だと清水翔太くんと加藤ミリヤちゃんも「Love Forever」(2009)ってデュエット曲を出してましたよね。最近はデュエット曲が減ってるけど、みんな自分の世界観だけにこだわらずどんどんコラボレーションしてほしいですよね。
【橋本】 そうですね、昔の音楽番組だと他人のヒット曲をコラボして歌うような企画が多くて見ていて楽しいですよね。