兵庫・明石市の“魚の棚商店街”入口向かいにあるベーカリー「パン&デリ・デマージ」が、新しい試みに挑戦している。若手職人が製造したベーグルを食品ロスとして廃棄することなく、クラウドファンディングを通じて販売、職人としての成長を応援してもらおうという取り組みだ。
同店代表の白石文子さんによると、夏場は食欲が落ちて、そうめんなどの需要が増える代わりにパンの消費量が極端に減る。ところが、新人を含む若手の職人が腕を磨くためには、パンを焼き続けなければいけないという。
「日本には四季があり、気温の管理がすごく難しい中でパンやベーグルを焼いています。職人は、毎日一定量焼き続けて、昨日と今日がどう違うのか、先月とどう違うのかというのを見ていかないと腕は上がらないんです。」(白石さん)
夏場に需要が減る中で同じ量を焼き続ければ、当然ながら売れ残ることも多く、“食品ロス”が生まれてくる。そこで、思いついたのがクラウドファンディングだ。これまで、若手職人が作ったものの仕方なく廃棄していたパン・ベーグルを、リターン(返礼品)という形で“購入”してもらい、未来の名職人の成長を応援してもらおうと考えたのだ。
気持ちが通じたのか、6月17日のプロジェクト開始からたった1日で目標金額の20万円を達成。7月15日時点で、139人の支援者から、目標の390%にあたる78万円の支援が寄せられている。
「若手職人も、ロスになると思いながら作るのと、誰かが召し上がってくださると思いながら作るのでは、気持ちが全然ちがいます。頑張って焼きますので応援をお願いします。」(白石さん)
応援購入は3,000円から1万5千円まで5通り。額に応じたリターンが用意されている。いずれもパンやベーグルの詰め合わせで、工場見学が含まれたプランもある。
5000円以上の支援のリターンには、クラウドファンディング限定品として若手職人が考案した「感謝のホワチョコベーグル」が含まれる。ブルーベリーなどのドライフルーツに、くるみやホワイトチョコがぎっしり。感謝と将来の夢もたっぷり詰まった一品だ。
デマージによるクラウドファンディング「食べて、育てよう!地元明石市民に愛されるパン屋さんの未来の名職人によるベーグル」は、2022年07月30日まで、クラウドファンディングサイト「MAKUAKE(マクアケ)」で展開中。詳しくはマクアケや同店の公式サイトで確認できる。
「パン&デリ デマージ」クラウドファンディング「食べて、育てよう!地元明石市民に愛されるパン屋さんの未来の名職人によるベーグル」
◆パン&デリ デマージ
〒673-0885 兵庫県明石市桜町14-16
電話番号078-913-3330
営業日 月曜・火曜・木曜~日曜(水曜定休)
営業時間 10時~18時
【公式HP】