神戸市の中央区役所が、中央区文化センターとの複合施設として、市役所1号館西側の旧居留地内に移転、19日に業務を開始した。同市が進める都心・三宮再整備の一環。旧区役所は、昭和55年(1980年)12月、旧葺合区と旧生田区の合併により中央区が誕生したのと同時に開設されたもの。41年余りの歴史を刻んだ場所を後にして、新たな扉を開けた。
新庁舎は、地上12階建て地下1階、高さ約53メートル。歩道と一体となった“歩廊状”のオープンスペースや、石貼り風の外壁仕上げなど、旧居留地の街並みに調和する開放的で上質なデザインだ。
内装やデッキの軒裏には木材を使用、低層部の軒先・屋上には緑を施すなど、都心のオフィス街にあって自然の潤いや温かみを感じられる仕様となっている。
コンセプトは「『UNI(ユニ)』な区役所」。UNIは、 “UNIVERSAL”と“UNIQUE”からとった。人口の約1割が外国人という中央区の役所として、市民課の待合(4階)には16言語に対応した外国人相談窓口を設けられるなど、より快適でわかりやすく、使いやすい施設に生まれ変わった。2階から7階までが市民の窓口、8階には会議室を設置した。
3階にあるのは、0~2歳の子どもと親子が利用できる「おやこふらっとひろば」(要事前予約)。絵本やおもちゃで自由に遊べるほか、子育てに関する相談も受け付けており、「ベビーケアルーム」「おやこトイレ」も設置されている。
また、各窓口での待ち時間短縮のため、スマホやパソコンで簡単に事前予約ができるようになった。市民課、保険年金医療課、保健福祉課の一部の窓口手続き(印鑑登録や母子健康手帳、 国民健康保険に関する手続きなど)がスムーズに進められる。
神戸市中央区まちづくり課の松本剛さんは「おしゃれであたたかみのある外観が特徴の新庁舎。快適に使っていただけるよう、職員もフレッシュな気持ちで業務に取り組んでいる。新しいシステムや仕組みを、便利に利用してほしい」と話す。
区役所と併せ、「中央区文化センター」も新庁舎内に移転オープンした。