◆2015年のApple Watch登場でスマートウォッチ市場は本格化。ヒットした要因は?
スマートウォッチ市場が本格化したのは、米Apple社による「Apple Watch(アップルウォッチ)」の発売(2015年)です。iPhoneとBluetoothで連携できるという、これまでとは全く違う仕組みで、瞬く間に大ヒットします。
それまでの、携帯電話メーカーによる試作品的な「腕時計型電話」や、パソコンと連携した「エレクトロニクスデバイス」とは異なり、手持ちの「スマホの子機」ともいえるシンプルさが、大きくヒットした大きな要因だと考えられます。
Android端末に目を向けると、2012年には手持ちのスマートフォンの通知を示す「腕時計型デバイス」は存在しましたが、それほど大きなインパクトはありませんでした。それにも関わらず、アップルウォッチがこれだけヒットした理由は「ファッション性に優れたデザイン」であったことも忘れてはならないでしょう。
そして、2019年。世界全体の時計の出荷数量で、アップルウォッチは「世界一」にまで昇りつめました。このことは“腕時計離れ”が叫ばれる若者たちの手首に改めて時計が巻かれるきっかけとなったと言えるかもしれません。
実際に、2021年のスイス時計の輸出高はコロナ以前である2019年を輸出金額高で2.7%上回りました。また、輸出の内訳を見ても、数量こそ2019年を下回っていますが、金額が上がっている事から時計1個あたりの単価がアップしている、つまり高級化が進んでいることがわかります。
このことは、アップルウォッチと機械式時計は「別物」と多くのユーザーが認識し、双方の時計を楽しんでいるという見方もできます。右手にアップルウォッチ、左手に機械式腕時計、という使い方は何ら不思議ではありませんし、RYさんも実際にそのような使い方をしていたそうです。
◆高級時計ブランドもスマートウォッチ市場に参戦中!
スマートウォッチ市場には、腕時計ブランドによるモデルをいくつか見ることができます。代表的なモデルとしては、ウブロの「ビッグ・バン e」や、タグ・ホイヤーの「コネクテッドウォッチ」などです。