世界最多の感染者数・日本 新型コロナ「今、5類に引き下げていいの?」「行動制限、高齢者だけ?」街に戸惑いと不安

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 世界保健機関(WHO)は27日、日本の新型コロナウイルスの新規感染者が7月18日~24日の1週間で約96万9000人に上り、世界最多だったと発表した。 オミクロン株の派生型「BA.5」の爆発的な感染拡大が深刻化している。

感染拡大第7波、行動規制は特になく多くの人々が行き交う大阪駅前交差点<2022年7月29日午後撮影>

 また新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している患者の数が109万8671人となり、初めて100万人を超えた(7月27日午前0時時点・集計した厚生労働省が29日に発表)。爆発的な感染拡大「第7波」によって、保健所などの健康観察や入院調整が追い付かなくなっている。濃厚接触者を含め、さらに多くの人が自宅で待機しており、社会機能の維持にも影響が出ている。

兵庫では7月28日、1日当たりの感染発表数としては2日連続で過去最多を更新 1万1027人の感染が確認された(写真は神戸・元町商店街)
大阪では7月26日、過去最多の2万5762人が感染 独自基準「大阪モデル」を最大警戒レベル「非常事態(赤)」に移行(写真は大阪・戎橋)

 こうした中、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、「第7波」の収束後コロナウイルスの感染症法での位置付けの見直しを図ろうとしている。医療現場のひっ迫を回避し、社会経済活動の維持につなげる狙いがあるためだ。 全感染者の情報を集約する”全数把握”取りやめの是非も問うという。
 感染症法上では、新型コロナウイルスの危険度について、結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)といった「2類」感染症以上の厳格な措置=『2類相当』を取っているが、これを季節性インフルエンザ並みの『5類』相当に緩和すべきだという声が上がっている。
 ただし、『2類相当』から『5類』に引き下げた場合、保健所や医療機関の負担は軽減されるが、医療費の公費負担や入院勧告などの対象からは外れる。

関西の各地では、若者世代を中心にワクチン3回目の接種率が低調(写真は大阪・戎橋)
神戸市は30代以下の世代に向けた事前予約不要のワクチン接種会場を、土日・祝日限定で三宮に設置(7月30日~)

■「5類~季節性インフルエンザ並みに、とは言うものの…」

 神戸市内の飲食業の男性(50代)は、今の段階で『5類』とすることに疑問を投げかけた。
「確かに今のオミクロン株は、軽症で無症状のケースが多いので、5類に移行するよう求める意見が強まるのはわかります。しかし、5類にするということは、2類相当ほどの行政からの手厚いサポートがなくなるということです。重症化しないという確証もない。これまで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を何度か出しておきながら、第7波のまっ只中なのに『行動制限しないなんて、いったい大丈夫なんだろうか』と疑問に思う人も多いと思いますが、急に5類にして、新たに対応策が変わることで世間一般に戸惑うのではないかと思います。全額、公費負担ではなくなるのなら、(医療機関への)受診が減るし、感染者が高止まりするかもしれません」と危惧する。

大阪府はお盆を含む7月28日~8月27日の1か月間、重症化リスクの高い高齢者らに対し不要不急の外出自粛を要請(写真は大阪・梅田)
京都では7月27日、1日当たりの感染者が初めて5千人を超え、過去最多となる5491人の感染者が確認された(写真は四条河原町)

 現在、新型コロナは感染症法上、危険度が上から2番目に高い『2類相当』相当の扱いとなっている。受診できるのが指定医療機関などに限られ、保健所や指定医療機関には大きな負担がかかる。受診者が殺到している”発熱外来”のひっ迫がその象徴的な現象だ。これが『5類』に引き下げられると、季節性インフルエンザのように一般の医療機関でも対応が可能になる。
 この男性は「季節性インフルエンザ並みに、とは言うものの、「BA.5」の急激な感染力と感染者数の大幅な増加をみれば、一般の医療機関がインフルエンザと同じように対応できるのか懸念もあります。いずれにしても医療機関はフル回転にならざるを得ないと思います。マスク着用のルールや、高齢者への対応など感染対策の意識が十分に変わってから、本当に”withコロナ”の認識が浸透したタイミングで『5類』に格下げするのが、混乱を招かずに済むのでは」と話した。

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