“環境”と“エネルギー”を軸に次代を開く 環境機器の老舗有力メーカー 兵庫・姫路「梶原鉄工所」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“環境”と“エネルギー”を軸に次代を開く 環境機器の老舗有力メーカー 兵庫・姫路「梶原鉄工所」

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――環境機器の有力メーカーの地位はどのようにして確立したのか。

【梶原社長】 1980年代から、日本企業の海外生産移転が進んで安価な製品が日本に持ち込まれるようになり、「これからは技術力を前面に、マネされない製品を」と環境機器を中心にエンジニアリング部門(機器の設計・施工及び保守点検業務)に一層注力していったことが大きい。新しい装置は時の経過とともに大手企業が自前で作るようになり、徐々にガデリウスが衰退してきたので、海外技術の集じん機を“梶原ブランド”として扱うようになった。それでも最初は営業先で相手にされず、価格を潜ってようやく口座を開いてもらうという案配。

 20年も経ってようやくメーカーとして独り立ちできるようになり、国内の製鋼トップ3が設備更新を検討される際には、必ず声を掛けてもらえるまでになった。よくやってこられたな、と不思議な感慨だ。

――産業界全体にとってSDGsは、立ちはだかる壁とも捉えられるが、自社の課題は。

【梶原社長】 脱炭素という時代の大きな波をどう乗り越えていくか。一例として、スートブロワは石炭や重油がアンモニアや水素に取って代わるにしたがって徐々に活躍の場がなくなると考えられるので、その事業を補てんしていかなければならない。ただし、環境保全や省資源の流れは当社にとって大きなビジネスチャンスだとも認識している。

「SDGsは新しいビジネスチャンス」と話す梶原社長

――具体的には。

【梶原社長】 定番製品の熱交換器は、そもそも省エネ装置なので受注が堅調。集じん機もエコには欠かせない。ほかにも、有害なVOC(揮発性有機化合物)を吸引して自燃させる脱臭装置という浄化機器があるのだが、最近需要が伸びている炭素繊維、いわゆるカーボンナノチューブを製造する際にもVOCが発生するので、化学メーカーから引き合いが増えている。

 このチャンスに乗じるため、工事部門を新しく社内に立ち上げた。従来は専門の施工会社が担ってきたこれら装置の据え付け工事を自前で行うことで、装置の基本計画・設計から製造、施工、メンテナンスまで一気通貫でサービス提供できる体制を構築していく。次の100年を「環境」と「エネルギー」をテーマに切り開いていきたい。

――事業は「鉄工所」の枠に収まらない様子。

【梶原社長】 実際に採用のことを考えると、若い社員からは「社名を変えた方が良い」という意見がある。一方で、ベテラン社員には現社名にものすごく強い愛着を持つ者が多い。3年後に迎える110周年の記念プロジェクトとして、変えるか否か、社員に投げかけたい。 (播磨時報社)

◆株式会社梶原鉄工所
兵庫県姫路市飾磨区恵美酒441
電話番号 079-235-6151
【公式HP】

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