【放送のことば(1)】伝わりやすさを意識した『言い換え』 「重傷・軽傷」⇒「大けが・軽いけが」 他にも… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【放送のことば(1)】伝わりやすさを意識した『言い換え』 「重傷・軽傷」⇒「大けが・軽いけが」 他にも…

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 放送では多くの言葉を使います。自由に話しているように見えたり聞こえたりするかもしれませんが、そこにはいろいろな決まりがあります。なかでも「ニュース」の言葉は、いろいろな決まりごとに沿ってかなり慎重に扱っています。そうした、知っているようで知らない「放送のことば」を、シリーズでご紹介します。

 1回目の今回は「重傷・軽傷」です。

 残念ながら、各地で毎日のように事故が起きています。そんな時に出てくる言葉です。たとえばラジオで…

「きょう午後〇時過ぎ、〇〇市の県道で、横断歩道を渡っていた人が乗用車にはねられ、重傷を負いました」と伝えたとします。

 ここでポイントになるのが「重傷」。

 前後の内容から「重傷」が何を示しているのか、意味は理解できます。しかし、パソコンなどで「じゅうしょう」と打つと、「重症」「重賞」「重商」「十章」「十升」「十賞」……という具合に、変換候補が複数出てきます。

 では「けいしょう」は? 「継承」「敬称」「軽症」「形象」「警鐘」「景勝」……やはりこちらも、たくさん出てきます。

 テレビのニュースでは、文字が表示されたり、現場の映像が映し出されたりするため、他の言葉・意味との勘違いは起こりにくいかもしれません。しかし、音だけのラジオではどうでしょう。

 良くも悪くも、何かを「しながら」聴く習慣を持つ人も多いラジオでは、殊に同じ音やアクセントの言葉は、聞き間違え・意味の取り違えが多々生じる可能性があります。そのため、私たち放送に携わる者は、混同されやすい言葉や聞き慣れない言葉を、正確に伝えるべく言い換えるようにしています。「重傷」なら「大けが」、「軽傷」は「軽いけが」という具合です。

「重傷・軽傷」の言い換えについて、放送関係者が参考にする『NHKことばのハンドブック第2版』 (NHK放送文化研究所編)には、その定義を示した上で、このように記されています。

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