【木島さん】 初年度の1975年は、1か月で180万個ほど売り上げました。おもに百貨店や小売店、遊園地のワゴンなどで売られて、春休みや夏休みなど、子どもたちの長期休みになると実演もしていましたね。当時は380円で販売しておりました。2代目からは430円となり、現在も同じ価格です。
――どういった方がモーラーで遊ぶのでしょうか?
【木島さん】 昭和のころは、おもに小学生にかわいがられていましたね。特に女の子には、あやとりなどの手遊びのような感覚で遊んでいただいていました。なかには「どうしたら生きているように動かせるの?」なんて興味深々の子もいたり。あとは余興で使われる方や、手品で披露される方もいましたね。
現在は、ネットで見て購入される方が多いです。どうやら、TikTokで紹介した方がいらっしゃるみたいで……。その影響なのかネットからの注文が多く、購入者もSNSに精通している20代前後の方が多いですね。
――モーラーの影響を受けて誕生した商品はありますか?
【木島さん】 1996年発売の「じゃれっこモーラー」です。電動で不規則に動く、ボール遊びができるニュータイプのモーラーとして販売されました。こちらもモーラーと同様、ロングセラー商品となっています。
――モーラーの魅力とは?
【木島さん】 達成感でしょうか。「もっと上手になりたい!」という気持ちから「努力すると上達する」という結果につながるサイクルが、わかりやすく可視化できるアイテムだと思います。あとは、かわいらしさですね。触れるたび、ペット感覚になっていきます(笑)。
世代を問わず遊んでいただけるものなので、発売当初に遊んでいた方が母親となり、「子ども売り場で発見して懐かしい気持ちになりました」という声をいただいたこともあります。親子の間で引き継がれ、遊んでいただけることも魅力のひとつだと思います。