戦前・戦後には、ビタミンCを摂取できる飲み物としてもてはやされたのだそう。それまで、ビタミンCは野菜や果実から取るのが一般的だったため、長期保存の利く乾物であるお茶は大変貴重だったよう。
殊に、この20年ほどで注目度が高まっているのが“緑茶カテキン”とのこと。植木さんは「緑茶カテキンは科学的に不安定な構造をしています。それが、人体で起こる様々な化学反応にいち早く作用し、反応を抑制する効果がみられることがわかってきています」と説明。さらに「(効果として)例えば老化防止、コレステロール値の抑制などがありますが、緑茶を口に含んだ時に口腔内を殺菌・滅菌する働きがあることも発見されています。口に含んでゆっくり飲むのがいいとされていて、口臭の予防にも効果が期待できますよ」と教えてくれた。
また日本茶には“カフェイン”が含まれているため、朝飲むと目覚めのスイッチが入り、午前中の活動を助けてくれる。午後のティーブレイクに飲むと、リラックス効果やリフレッシュ効果を得られるという。
ただ、夕食を取るくらいの時間帯に飲むのは、人によって注意が必要。就寝の邪魔をする恐れがあるためだ。植木さんは、「カフェインに敏感な人は、カフェインが比較的少ないほうじ茶がいい」とアドバイスする。ちなみに、水出しにすれば、カフェインが抑えられて飲みやすくなる上、カテキン類やビタミン類が豊富に摂取できるそうだ。
同店では100種類以上の茶葉をそろえ、その中から客の好みに合ったものを植木さんが提案する。また、店内でお茶を飲めるほか、夏場は抹茶のかき氷もメニューに並ぶ。抹茶みつは、植木さん自身が配分・吟味した特製だそう。ふわふわの氷と相まって、風味豊かなかき氷を味わえる。
様々な効果も期待できる日本茶。まだまだ続く暑い日々、日本茶を飲んで、味わって健康に過ごしたいものだ。
(取材・文=バンク北川)
【神戸チャイハーネ】
「日本茶復権」を掲げる店主が全国の茶農家さんを訪ね、直接買い付けたお茶がおよそ100種類揃う日本茶専門カフェ。おいしい日本茶に合うランチやスイーツも提供。六甲ライナー・アイランドセンター駅直通の神戸ファッションマート2階。営業時間は午前11時~午後6時。水曜定休