《旧統一教会と政治家》集票マシンと化す「切っても切っても現れる教団との関係…まるで”金太郎飴”」弁護士が指摘 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《旧統一教会と政治家》集票マシンと化す「切っても切っても現れる教団との関係…まるで”金太郎飴”」弁護士が指摘

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■自らの”身体検査”に慎重なのはなぜ?

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)によると、この事件を受けて旧統一教会が発出した2009年の「コンプライアンス宣言」以降でも、2800件あまりの被害相談があり、被害額は約140億円にのぼるという。この数字は尋常ではない。

 一部のメディアが、全ての国会議員712人(欠員1人)を対象としたアンケートでは、おおよその傾向として、100人あまりの議員が関連団体のイベント出席や選挙協力を受けるなど関係を持っていたとされ、このうち、自民党議員が80人近くにのぼっている。地方議員も含めると相当な数にのぼる。

 他方で、アンケートに未回答の議員が100人規模と多いのも事実である。仮に旧統一教会と”無関係”であることが確かであれば、急ぎそのように ”無関係” と回答するのが通常ではないだろうか。「身の潔白は少しでも早く主張すべき」性質のものだからである。
 未回答の議員は、何らかの理由で自分の「身体検査」について 慎重にならざるを得ない状況にあるか、あるいは関係性を否定することができないために「だんまり」を決めているか、そのいずれかであろうと考えることは、決しておかしなことではない。

岸田首相としては、人事刷新で世論の批判をかわす思惑も裏目に出た内閣改造、逆風が強まる

■教団の名称変更、公安捜査対象外し…時期的な共通点は?

 それが、公安当局の捜査対象からも外れたばかりか、いつの間にか教団名を変更して国民やメディアの目から逃れ、政権中枢に食い込んでいたのである。もっとも、これだけの経緯を持つ組織が名称変更した際にしっかり報じてこなかったメディア側も反省すべきかも知れないが、名称変更がなされた時期も、捜査対象から外れた時期も、今回凶弾に倒れた安倍晋三氏が首相を務めていた時期と重なっているように見えるのはただの偶然だろうか。

 国会議員の中には、本当に何も知らぬまま関係を持った場合もあれば、保守勢力として「国際勝共連合」(旧統一教会・文鮮明教祖が共産主義からの解放を目的に創設)の主張に賛同して関係を持った場合もあるだろう。また旧統一教会が10万票単位で選挙に影響を与え得るとされる「集票マシン」と化していることから、”持ちつ持たれつ”の関係となっている現状もあろう。教団主催イベントで、現総裁へカーネーションの花束を持ち「マザームーン」と称賛、連呼した議員もいる。
 教団との親和性にはそれぞれ濃淡があろうし、今後どういった関係を続けるのかも、その親和性の濃淡に影響されるだろう。

 この問題は、単に「政教分離」という基本的な視点だけでは、到底捉えきれない、大変大きな問題をはらんでいると感じざるを得ない。

 旧統一教会は、フランスでは反社会的宗教団体として「カルト」あるいは「セクト」だと認定されているが、現状の日本ではこうした判断基準もなく、法的な規制もない。日本の憲法には「信教の自由」があるが、宗教の名のもとでの犯罪や不法行為は許されない。

安倍元首相銃撃事件後、現場に献花に訪れる人は絶えなかった<2022年7月11日・近鉄大和西大寺駅前(奈良市)>
安倍元首相銃撃事件は、「教団と政治家」との関係が露呈する契機ともなった

■安倍元首相銃撃・容疑者の母親、教団と決別したわけではない

 安倍元首相を銃撃し、逮捕された男は「母親の旧統一教会への入信で(多額の献金の末に破産宣告を受け)家庭生活がめちゃくちゃになった」と供述しているというが、その母親が示した「世間に対して謝罪、説明をしたい」という意向が本当ならば、世間がこれを通常の謝罪として率直に受け入れることには慎重であるべきだと思う。母親がいまだ教団と決別したわけではないからだ。母親が公の場で謝罪や説明をすることが、単なる教団側の利用とならないか…との危惧は誰もが指摘するところだと思う。

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