《ウクライナ軍事侵攻から半年》戦地で生きる「見過ごされた人々”ロマ”」撮り続けて フォトジャーナリスト・小原一真さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《ウクライナ軍事侵攻から半年》戦地で生きる「見過ごされた人々”ロマ”」撮り続けて フォトジャーナリスト・小原一真さん

LINEで送る

この記事の写真を見る(15枚)

小原さんはクラウドファンディングで撮影資金のサポートを募っている(撮影のためにマスクを一時的に外しています)
梅田スカイビル・タワーイースト3階の外壁にも(西側から見上げる)写真が

 小原さんは「戦争は長期化している。心のよりどころをなくしたロマの避難者は、もう選択肢がないという生き方を余儀なくされている。孤立状態にあり、悲壮感が漂う。見る人によっては、どことなく悲しい目をしているように感じるかも知れない」と話した。そして、「ロマ」の人々のその後を撮るため、今冬には再びウクライナへ足を運ぶ予定だ。カメラがとらえた”人の表情”そが、すべてを物語ってくれる。

ウクライナを追われポーランドに避難する人、出国できない少数民族「ロマ」の人々をとらえた
列車で国境を越え、深夜にポーランドに着いた家族(2022年 3月・ウクライナとの国境 メディカ)

 フリーランスで活動する小原さんは、ウクライナでの「ロマ」に関する継続的な取材のため、撮影資金のサポートを募っている。自身のサイト「Platform On The Border 境界線上のプラットフォーム(https://www.kazumaobara.com/)で告知。クラウドファンディング方式で、帰国後に支援額に応じて写真集などのリターン(お礼)を用意する。

ポーランドで撮影する小原さん<※copyright Roman Pavle>

 視覚に訴える世界に生きる小原さん。実は映像でも活字でもなく、ラジオという音声メディアがとても好きだという。
 「東日本大震災で、ニュースや生活情報を伝えるラジオのきめ細やかさや情報量に驚かされた。言葉を掘り下げて、背景まで伝わってくる。ウクライナでもさまざまな音声を録って記録している。それは表現者としてとても重要なことだから」。8歳と9歳の息子へ、誕生日プレゼントにラジオを贈った。息子たちは真剣にその音声を聴いていた。「ノイズの中に、しっかり言葉がある。耳をそば立たせ、うなずきながら真剣に聴き取る、だから伝わるのだ」と話す。自らも朗読にも手掛けるようになった。
 見過ごされてしまいそうな存在を、絶対に見逃さず、しっかり撮り、伝えたい。それが小原さんの信条だ。

《写真展「ウクライナ避難民とロマの人々」》

2022年9月11日(日)まで開催
梅田スカイビル タワーイースト3階(大阪市北区大淀中1-1-88 空中庭園出発ゲート前)
入場無料


・「Platform On The Border 境界線上のプラットフォーム」小原一真さんサイトより

LINEで送る

関連記事