コロナ禍で続くマスク生活。口元が隠れていることにより、「笑顔」の機会が減ったという人もいるのでは? また、人と話す機会が減ったことにより、最近笑っていないな……と感じる人もいるかもしれません。笑う回数を増やすことにもつながる、「笑顔」の採点システムがあります。
考案したのは、つり銭機や両替機などを展開する、通貨処理機メーカーのグローリー株式会社。姫路に本社を置き、100か国以上で活躍しています。
そんなグローリーが現在力を入れているのが「顔認証システム」の研究です。数千人の顔データをベースに平均顔を作成。対象人物の顔の100か所以上の特徴を検出して、比較・認証を行います。メガネの有無などの局所的な変化や経年変化にも対応可能です。スーパーやショッピングセンターで要注意人物の来場を検知して万引きを予防したり、見守りが必要な入院患者が病院外へ出ようとした際に知らせたり、顔認証システムは生活の中に導入されています。
その顔認証技術を応用したのが、笑顔度の測定ができる「スマイルスコア」です。「笑顔」の平均顔に近い表情ほど、笑顔度が高くなります。8月19〜20日にアクリエひめじで行われた『Himeji SDGs EXPO 2022』では、「スマイルスコア」で来場者の笑顔度を測定しました。カメラの前に立って数秒間笑顔を向けると笑顔度が測定され、その点数に応じてお菓子がもらえます。100点満点中、80点以上が出れば高得点です。
お菓子を配るのは、手先が器用なヒト型ロボットです。お菓子を丁寧に箱詰めし、来場者へ配布します。
カワダロボティクが開発したヒト型ロボットのNEXTEGEは双腕(アームが2本)で、人と一緒に作業できます。手首から先のシステムはグローリー製。食品・医薬品・化粧品の工場数十社に導入されています。
また、顔認証技術を、パーキンソン病や認知症の早期発見・予防に繋げようとする取り組みも進めています。「スマイルスコア」で笑顔度の測定により笑う機会が増えることで、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。