今でも言う?録音するとき「テープ回ってる」デジタル時代に昔の名残 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

今でも言う?録音するとき「テープ回ってる」デジタル時代に昔の名残

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 放送局では今も使われている「テープが回っている」という言い回し。デジタル時代に残るアナログ録音の名残とはどんなものか、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフがラジオ番組のなかで解説しました。

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 最近では放送局でもデジタル機器が主流ですが、昔の名残で、現場ではいまだに「録音を回す」という人もいます。今はパソコンのDAWやデジタルレコーダーでの収録が主ですが、昔はDATやオープンリールテープなどの、磁気テープを使ったアナログ録音で番組収録をしていたので、その名残で「録音を回す」「テープを回す」という言葉が使われていたのです。数年前まで使われていた「MD」もディスクが回っているので「録音が回っている」という言い方をしました。

まわるオープンテープ
まわるオープンリールテープ

 放送現場では、デジタルベースの録音がメインになっても、しばらくはアナログ録音を併用していました。デジタルレコーダーやパソコンのDAWでの録音は、最初は音が飛んだり、「機械ノイズが入ってしまうのでは?」などトラブルの心配があったりしたので、念のためにアナログテープの録音もしておくということがよくあったものです。また、テープが回っているのを見ると「ちゃんと録音されている」と安心できるのも、その理由でした。今ではアナログ録音はほとんどなく、デジタルレコーダーを複数使うなど、ほとんどトラブルはありません。最近ではアナログ録音を知らない、という現場スタッフも増えてきています。

 昔のアナログ録音で使われた磁気テープは、薄いフィルムに粉末状の磁性体(磁場に反応する物質)が乗ったもので、電気信号と磁気信号を変換する「磁気ヘッド」を通過して、磁気を変化させ情報を記録します。アナログ録音では、音声波をプラスとマイナスの電気信号波に変えて、それを電磁石に通してS極とN極に変換し、磁気テープを磁化させています。再生はその逆です。

 かつてラジオの放送現場では「オープンリールテープ」を使い、番組編集はテープを切り貼りして行いました。その後「カセットテープ」が登場しました。音質の良い「Lカセット(エルカセット)」は、「オープンリールの音を、カセットに。」という発想で、ハイファイオーディオに適合できるカセットテープ規格のものでした。

 オープンリールは巻き取るリールが露出しているので、取り扱いには注意が必要でした。高音・多湿の場所もNG。またテープをリールに巻き戻すときには、「マスター巻き」という、録音や再生のままや、一時停止などを行わずに巻き戻す必要がありました。テープの縁をそろえずに保存すると、片伸びしてしまうことがあったのです。また磁気記録されているテープは、磁気を帯びたものに近付けると、録音された内容が消えてしまうので、磁界を遮断できる環境で保存することが必要でした。

 磁気を帯びたもの、といえば「スピーカー」ですが、スタジオには大きなスピーカーが置いてあるので、間違ってスピーカーの近くにテープを置かないようにしなければなりません。ちなみに、磁気に弱いものといえばテープの他にクレジットカードがあります。スマホやスマホケースなども磁気を帯びているので、注意が必要です。

 テープで録音していた時代も、デジタル録音の今も、ちゃんと録音できているか、確認することが大切です。

※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2022年8月28日放送回より


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【放送音声】ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2022年8月28日放送回

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おしえて!サウンドエンジニア ~ギジュツLOVE~ | ラジオ関西 | 2022/08/28/日 09:45-09:50

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