――投資被害に遭わないためにどのようなことに気をつけたら良いでしょうか?
【井上弁護士】「必ず儲かる」などの、おいしい話に絶対乗らないようにすることです!ただ、被害に遭った人もみんな分かってはいるのに信じてしまうんです。どれだけいい話でも、よくわからない投資や、少しでもうさんくさいと思った投資は絶対にやるべきではありません。
「必ず上がります」とか「絶対に儲かる」などと断定することや、そう思わせるような表現を使って購入を誘うことを「断定的判断の提供」というのですが、金融商品取引法で禁止されています。そのため、リスクの説明なしに絶対という言葉を使ってきた時は、まず信じてはいけません。
投資を行う以上、失敗して損害が発生するリスクがあります。基本的に、そのリスクは自己責任で負わなければなりませんが、中には業者の不当な勧誘によって思わぬ損害が発生することもあり、自己責任では済まないケースも十分考えられます。「自分の責任だ」とあきらめず、まずは相談することが大切です。弁護士への相談が早ければ早いほど、解決の糸口が見つけやすくなります。
◆井上 伸 ( いのうえ のぼる )弁護士 北摂中央法律事務所(川西市)
京都大学法学部を卒業後、2006年に弁護士登録し、兵庫県弁護士会に入会。
2010年に「北摂中央法律事務所」を開設。現在は、兵庫県弁護士会消費者保護委員会や神戸先物証券被害研究会に所属し、先物・外為等の金融被害など消費者被害救済に取り組む。