◆公開当時は「タブー」も、時代は流れ「スタンダード」に
「モナコ」と同様に、映画の中で使用されたことで話題となり、後世へ語り継がれている腕時計があります。007『ドクター・ノオ』(主演:ショーン・コネリー)における、ロレックス「サブマリーナー」です。
映画が公開された当時、ダイバーズウォッチ(潜水用防水時計)にタキシードという組み合わせは、世間一般からは受け入れがたいものでした。主役であるジェームズ・ボンドは、ショーンをはじめ、数多くの名優によって演じられますが、時代によっては、オメガ「シーマスター」を着けていることがあるなど、後のシリーズ作品に影響を与えます。また、現代社会においては、「スーツ×ダイバーズウォッチ」は何ら珍しいものでなく、スタンダードなスタイルとなっています。
◆ドラマ『ラブ・ジェネレーション』に使用されたエクスプローラーも私物?
日本の映画やテレビドラマにも目を向けてみましょう。その代表格と言えるのが、1997年にフジテレビで放送された『ラブジェネレーション』で、主演の木村拓哉さんが着用していたロレックス「エクスプローラー」ではないでしょうか。これも真偽は定かではありませんが、木村さんの私物だったとも言われています。放送当時は言わずもがな、25年経った現在でもファッションアイコンとして活躍していて、腕時計愛好家としても名高い木村さんのチョイスだったとしても何ら不思議ではありませんね。
ちなみに、ドラマが放送される前のエクスプローラー(Ref.14270)はお世辞にも人気があったとはいえず、愛好家の間でも「入手しやすいロレックス」とされていました。ところが、放送開始後は瞬く間に人気が急上昇し、入手困難モデルへと変貌したのです。
◆腕時計は、映像作品における「名脇役」だ!
近年、映画やドラマで使用される腕時計はタイアップであることが多くなりました。時代は変遷し、俳優が使用した私物の腕時計が話題になる、ということは事例は少なくなってきているはずです。タイアップの例としては、最新作の映画007シリーズとオメガは有名です。2022年に公開された映画『トップガン・マーベリック』はIWCとタイアップしています。いずれも、腕時計はストーリーに溶け込み、キャラクターのパーソナルにぴたりとマッチしています。