時空を超える不思議なトンネルを調べるうちに互いの過去を知り、距離を縮めていく少年少女の物語。鈴鹿央士と飯豊まりえが声優を務める劇場アニメ『夏へのトンネル、さよならの出口』が9月9日(金)、全国の劇場で公開されます。
物語の舞台は2005年の夏。主人公は、高校2年の少年・カオルです。自然豊かな田舎町で父親と2人で暮らしています。
カオルのクラスに転校生・あんずがやってきます。彼女は容姿端麗で頭脳明晰。かつておじが住んでいたこの町の家でひとり暮らしをしています。
町には、中に入ると欲しいものがなんでも手に入る「ウラシマトンネル」があるらしい、という噂が広まっています。
ある日、カオルは線路伝いに歩いた山の奥の水辺で偶然、トンネルの入口を見つけます。恐る恐るカオルが入ると、トンネルの中はぼんやりと赤く、足首まで浸かるくらい泉が湧いています。左右両側に紅葉した木々が並木道のように奥深くまで続いていて、カオルを誘っているように感じられます。
「夢じゃない、ウラシマトンネルだ……」
このトンネルでカオルは、小さな頃に飼っていていなくなってしまったインコを見つけます。
トンネルの外へ出ると、思った以上に時間が経っていました。現実の世界とトンネルの中では時間の進み方が違うようです。カオルは放課後、トンネルの検証を進めることにします。
カオルの行動にあんずが気づきました。
「私と手を組まない? 私も欲しいものがあるの。目的が同じなら二人でこのトンネルを攻略した方が何かと都合がいいでしょ」