「『死にたい気持ち』に正論投げかけない」 川嶋あいもうなずいた“肯定することで寄り添う”NPOの信念 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「『死にたい気持ち』に正論投げかけない」 川嶋あいもうなずいた“肯定することで寄り添う”NPOの信念

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。8月14日の放送では、前週に引き続いての登場となるサヘル・ローズさんと、「NPO法人 若者メンタルサポート協会」理事長の小杉沙織さんが出演。子どもたちと触れ合ううえで心がけているモットーについて語り合った。

写真左から、「NPO法人 若者メンタルサポート協会」理事長の小杉沙織さん、番組パーソナリティの川嶋あい、サヘル・ローズさん

 7歳までイランの孤児院で過ごし、8歳のときに養母とともに来日したサヘル・ローズさん。公園での野宿生活や学校での差別など数々の苦難を乗り越えて俳優となり、さまざまな映画や舞台に出演。また、テレビのカルチャー・教育番組などタレントとしても活動の場を広げている。さらに、芸能活動の傍ら、世界中の難民キャンプを訪れ、子どもたちに寄り添う活動を続けている。

サヘル・ローズさん

 一方、幼少期から両親の離婚、いじめ、家出、うつ病などの経験を重ねたきた小杉さん。2012年には、自身の経験を生かし、悩みを持つ若者を対象とした24時間LINE相談を開始。15年に、NPO法人 若者メンタルサポート協会を設立した。

小杉沙織さん

 コロナ禍ということもあり、この3年は対面でのリアルな活動の場を設けられなかったと話す小杉さん。「夜、部屋に1人でいるとつらくなってしまう」という自身の経験から、現在はオンラインでの居場所づくりを毎晩実施しているのだそう。LINEやZOOMなどのwebツールを通じた相談のため、相談者は中高生を始めとした10代の若者が中心で、多いときには1か月に4万通もの相談が寄せられるという。

 活動では「虐待があったからといって、必ずしも通報するというわけではない」と、小杉さんはいう。それは「子どもたち自身が望んでいない場合があるから」だそう。いかに子どもたちの思いに心を寄せているかが伝わる言葉だ。小杉さんは、悩みを打ち明けられた相談員は、もちろん「今すぐ通報して助けたい」という思いに駆られるが、その思いをぐっとこらえて、「なにが最善なのかを考えながら寄り添う」ことを心がけていると話した。

 そして、相談者の死にたい気持ちや、リストカット、オーバードーズなどの行為についても、決して否定しないという。「死なないで」という正論を投げかけるのではなく、つらいという気持ちに寄り添い、「この世の中でよく生きていると思う」と肯定するのだそう。川嶋はこの言葉に驚きつつも、「否定されると、ますます『自分はだめなんだ』と思ってしまいますもんね」と大きくうなずいた。

 一方、世界中の難民キャンプで、戦時下を生きる数多くの子どもたちとの触れ合いを続けるサヘルさん。「子どもたちは色々なことに気づいたうえで、どうしたらいいのかわからずにいる。その信号に気づけたらいいなと思います」と語った。

写真右から、サヘル・ローズさん、「NPO法人 若者メンタルサポート協会」理事長の小杉沙織さん、番組パーソナリティの川嶋あい

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『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】

「NPO法人 若者メンタルサポート協会」公式HP

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明日への扉~いのちのラジオ+~ | ラジオ関西 | 2022/08/14/日 17:00-17:30

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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