大阪と京都、そして京都と滋賀を結ぶ「京阪電車」は、京阪エリアに住む人のたち移動手段のみならず、観光客からも人気を誇る関西私鉄のひとつです。
そんな京阪電車の車両は、濃緑色(レスト・グリーン)・黄緑色(フレッシュ・グリーン)・白色(アトモス・ホワイト)のトリコロールカラーが特徴的。ホームに停まっている車両を見ていると、同じく濃緑と黄緑が印象的な「三井住友銀行(SMBC)」カラーを思い出す人も多いはずでは?
SNSでも「京阪電車の三井住友銀行感」「どう見てもSMBCにしか見えない京阪電車」など、カラーリングのそっくり具合がたびたび話題に……。そこで、京阪電気鉄道株式会社(本社:大阪市中央区)の広報部・石川さんに、このカラーリングにまつわる話を聞いてみました。
「2008年のリニューアルを経てから10数年が経ちますが、やはり似ている!という声は度々耳にしますね。最近でも、テレビ番組でとある芸人さんが『似ている』と言及していたそうです」(石川さん)
広報も認めるほど酷似した「京阪カラー」と「SMBCカラー」ですが、京阪電車では1927年より運行されていた「京阪1550型電車」から、車両に緑色を取り入れています。つまり、もとから「緑」は京阪のキーカラーだったということ。
「緑色は、京阪沿線の樟葉駅~淀駅間に代表されるような、緑あふれる風景と弊社の『成長・発展・若々しさ』という企業理念を表しています。そこに白色を織り交ぜることで、現代的な感覚をプラスしました」(石川さん)
対して、三井住友銀行のコーポレーションカラーは若草色(フレッシュグリーン)と深緑色(トラッドグリーン)の2色。それぞれ「若々しさ・知性・やさしさ」と「伝統・信頼・安定感」という意味があります。
京阪電車と三井住友銀行。同じ「緑」でも、全く違うコンセプトであることが判明しました。