防水性や視認性に優れ、目盛りのついた回転ベゼルをはじめとする、ボリュームのあるデザインが人気を集めている「ダイバーズウォッチ」。ロレックス「サブマリーナー」をはじめとするスイス製のものが有名ですが、「日本製」のダイバーズウォッチも負けず劣らず、世界中で愛され続けています。国産ダイバーズの歴史や、その魅力について、登録者数が6万3千人を超える「腕時計YouTuber」であるRYさんが、『やさしい腕時計』(ラジオ関西Podcast)で解説しました。
◆国産初のダイバーズウォッチを世に送り出したのは「セイコー」だった!
セイコーが、国産初のダイバーズウォッチを発売したのが1965年のことです。「ファーストダイバー」と呼ばれるそのモデルは、150メートルの防水性能を備えていました。南極地域観測隊に寄贈され、4度の南極越冬隊に携行されたことから、プロフェッショナルからの信頼の大きさが伺えます。
ロレックスがサブマリーナーを発表したのが1953年。その差は10年以上ありますが、セイコーのアプローチは少し異なりました。多くのスイス製ダイバーズウォッチの防水性が「ゴム・パッキン」によって高められていたのに対し、セイコーはケース(ムーブメントの入れ物)の密閉性をより高めることで、「150メートル」という、当時としては最高レベルの防水性を実現させていたのです。
「ファースト」のリリースから3年後の1968年に登場したのが、通称「セカンドダイバー」です。探検家の故・植村直己氏が愛用したことから、“植村ダイバー”とも呼ばれます。このモデルは300メートル防水を備え、短期間でスペックを高めていたことがわかります。このナンバリングは、1976年に発表された「サードダイバー」まで続きます。このモデルは、亀の形に似ていることから“タートル”の愛称で親しまれています。
このように、「セイコーダイバーズ」の特徴のひとつに、「ニックネーム」が挙げられます。国内外のファンが愛称をつけ、ワールドワイドに愛されているのです。具体的に見ていきましょう。
◆モデルの数だけ、ニックネームがある!?