昨年、開業100周年を迎えた阪急千里線は、「天神橋筋六丁目」と「北千里」を結んでいます。大阪ではいち早く1969(昭和44)年に市営地下鉄(現、大阪メトロ)と相互乗り入れを始めた路線で、1970(昭和45)年開催の万博(日本万国博覧会)への輸送も踏まえて、堺筋線とつながりました。現在も堺筋線「天下茶屋」から阪急千里線「北千里」、阪急京都線「高槻市」まで相互乗り入れが行われています(※一部の電車は「京都河原町」行もあり)。
日本一長い2.6kmの天神橋筋商店街と接する「天神橋筋六丁目」を出ると、電車は地上に姿を現し、すぐに淀川を渡ります。
難読駅名のひとつ「柴島」(くにじま)には、甲子園球場13個分の広さを誇る柴島浄水場があり、春は桜の通り抜けでにぎわいます。
そして2008(平成20)年から長らく続く高架化工事(「阪急京都線・千里線連続立体交差事業」)は、千里線では「柴島」~「下新庄」の3.8kmの区間で行われています。これが完成すれば、「淡路」の手前での京都線との複雑な平面交差もなくなり、すっきりとした2階建て構造となります。工事区間の17の踏切も除去され、「淡路」手前での時間調整停車もなくなるため大幅なスピードアップも期待できます。ちなみに「淡路」には1号線がなく2~5号線が使用されていますが、さあ、4階建ての新駅舎ではどうなるんでしょうか。
「下新庄」を過ぎて神崎川を渡れば「吹田」。駅の目の前には吹田市役所、少し行くと広大なアサヒビール吹田工場があり、風向きによってはビールの香りも漂ってきます。また「東の早慶、西の大和」のCMでおなじみの大和大学もここが最寄り駅です。
「豊津」を出ると上り勾配となり、右奥に関西大学第一中学校・高校のグラウンドが見えてきます。実はこの学校敷地のあたりに、1950(昭和25)年までは千里山遊園があったんです。当時、ひらパー(ひらかたパーク)と並ぶ規模をもち、花壇・飛行塔・展望台・余興場などを備えていたといいます。
そして次の「関大前」は、駅名が「花壇前」→「千里山遊園」→「千里山厚生園」→「千里山遊園」→「女学院前」→「花壇町」→そして現在の「関大前」と、日本一の駅名変更駅として有名なんです。
関西大学は13学部・約2万8千人の学生が通う総合大学。その大部分が「関大前」最寄りの千里山キャンパスに通いますから、朝の始業時などは大混雑となります。