「元永定正」の人生を「タイムマシン」で振り返る 生誕100年の企画展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「元永定正」の人生を「タイムマシン」で振り返る 生誕100年の企画展

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 現代美術家だけでなく絵本作家、俳優など様々な顔を持つ元永定正(もとなが・さだまさ)の生誕100年を記念した企画展「生誕100年 元永定正のドキュメンテーション -Riding on a time machine-」が、宝塚市立文化芸術センターで開かれている。2022年10月10日(月・祝)まで。

 三重県伊賀市で生まれ、88年の人生の半分以上を宝塚で過ごした元永定正。時間に関して考えを巡らせていたといい、こんな言葉を残している。

「タイムマシンのことは聞いていてもそれが完成されたといった話は聞いたことがない。しかし私のタイムマシンは確かに存在するのである。」(展示・自筆原稿「私のタイムマシン」より抜粋)

会場入り口
会場入り口

 展示では、アトリエに残された膨大な資料の中から、絵画作品やスケッチ、写真、展覧会の記録、模型など400点以上を展示し、「タイムマシンに乗った」ように元永の人生を振り返る。

 前衛美術家集団「具体美術協会」の中心メンバーとして知られる元永だが、その活躍は多岐にわたる。1960年代の油絵の具によるたらし込み技法、80年代のエアブラシ、2000年代のペインティングと技法の違う作品を展示するほか、自身が手掛けた広告や雑誌の表紙なども紹介。また写真やスケッチ、そして手書きのメモから、元永がどのような時間を過ごし作品作りに取り組んでいたのかを読み取ることができる。そして多くの「名刺」も展示されている。元永がその時代、どこにいて何をしていたのかをうかがえる。

 元永は5年間に渡って「芸術新潮」の表紙を担当。「芸術系の雑誌で1人が5年間も表紙を担当するのは異例」だと言う。1990年高島屋大阪店(なんば)がグランドオープンした際の全面広告を手掛けた。そのコピーは「コンニチワ、新しい正統です」。それまで前衛・ユニークと言われていたのが、「正統」と言われるようになった。パブリックアートも多く手掛けた。一方、映画「利休」に俳優として出演。コンサートも開いた。幼少期に「映画俳優か、唄うたいか、絵かきになりたい」と母親に打ち明けていた元永少年。その夢をすべてかなえた。

「『楽天家でおおらかなおっちゃん』というイメージがある元永だが、実は細かく理知的。常に時間(過去・未来・現在)を意識していた。見えない未来を見ようと、禅問答をするかのように作品制作に取り組んでいたことが、自筆原稿『私のタイムマシン』からうかがえる。『具体』のイメージはあるが1人のアーティストとしてもっと研究されるべき存在。」と本展覧会企画者の高満津子さんは話す。

 ところで今回の企画展は、これまでの宝塚市立文化芸術センターの展示とは「逆のルート」で巡る。「これもタイムマシンを意識した」という。

「生誕100年 元永定正のドキュメンテーション -Riding on a time machine- 」
宝塚市立文化芸術センター 2F メインギャラリー
2022年9月10日(土)~10月10日(月・祝)
毎週水曜日 休館


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