時代を先取りする京都の税理士 働き方改革のきっかけは朝礼 コミュニティースペースも運営し地域に貢献 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

時代を先取りする京都の税理士 働き方改革のきっかけは朝礼 コミュニティースペースも運営し地域に貢献

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 林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)と、フリーアナウンサーの田中大貴(元フジテレビアナウンサー)がパーソナリティーを務めるラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』。2022年9月19日放送回では、税理士の中田俊さんをゲストに迎え、中田さんの一風変わったビジネススタイルを紹介。林氏、田中アナとともにトークを繰り広げた。

写真左から、田中大貴、中田俊さん、林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)  ※撮影時にマスクを外して対応(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 中田さんは京都市内で税理士業を起業して11年目だというが、その事務所のスタイルが独特。朝は1時間以上、朝礼を行い、ときには午前中を丸々、業務とは関係のない朝礼にあてることも。さらに、週に1回は会社として畑で農業を行い、税理士業務に割く時間は「残りの週4日の午後」。それでも、顧問先からの特段のクレームもなく、業務も問題なく進められているそう。

 そのきっかけとなったのは、中小企業の経営者と「どうやったら会社がよくなるのか」ということで、徳島の企業へ見学に行ったことだという。

「徳島に西精工さん(西精工株式会社)という会社があって、僕が行った時で10年ぐらい毎朝1時間朝礼をやり続けていて、地域からもすごく愛されていて、人も辞めない、業績もいいという会社があって。そこを見に行ったんですよ。その会社の西さんという社長さんに、『うちがこういう風によくなっていく原点は朝礼にあるから』という話をされたなか、飲み会で『中田さんの会社、やるの? やらないの?』みたいなことを聞かれて。これやらないとか言えます……という感じで、次の日からやり始めるということになったんです」

 朝礼では、基本的に業務連絡などは一切なし。『人間力を高める』というテーマで、社員が順番に持ち回りで題目を決めて、「こういう問題について考えよう」、「こういう本についてどう思うか」など、毎日1時間ずつテーマを決めてみんなで話しあったりしたという。「子どもがいる社員がいたので、9時半くらいからやり始めて、10時半までやっているんですが、外部の方が来られることもあるので、けっこう盛り上がって、午前中ずっと朝礼をやってるみたいな、ことなどもありました」。

 その朝礼の効果はてき面にあわれたそう。朝礼で最低1時間はなくなるうえに、残業も禁止したという会社では、業務ができる時間が減っていったのにもかかわらず、「みんながそれに対応するにはどうしたらいいかを考えるようになった」。朝礼をやり始める前は残業時間もすごく多かったのが、結果的には残業もなくなり、そのうち「あれっ、(業務が)まわっているな」という状態に。週1回は畑に農業をしにいくという活動も生まれたという。顧問先からは朝礼をやっていた当初、「(朝に)なんで電話に出ないんだ」という話しもあったが、いつしか理解が深まったうえ、メディアでも働き方改革のモデルケースで取り上げられ始めたことで、「どういうふうにやっているのか教えてほしい」と聞かれることも。「時代がそういう方向にいったのかな、みたいな感じはあります」(中田さん)。

中田俊さん(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 そんな中田さんと親交のあるパーソナリティーの林氏は、会話のなかで、「税理士事務所を解散しようと思うんですけど……」という話を切り出されたことがあると明かす。その真意について、中田さんは次のように語る。

「今の世の中で、フリーランスや起業されている方は別ですが、会社員の方は1社につとめたらずっと同じ会社で働くというのがまだまだメインストリーム。それでも、『ちょっと違うことをやってみたいな』、『違う働き方をしたい』という願望がある人はけっこういるんじゃないかと。その背中を押すというわけではないですが、定期的に『解散』したらみんなリセットして新しいチャレンジができるんじゃないかなと考えるようになったんです。副業する人が出てきたり、会社に出てこずに家で働くようになったり、子ども連れで一緒に働くみたいになったり、(そういう働き方が)段々出るようになってきたので。それ(業務の在り方)を定期的に見直したり、違うところにチャレンジするみたいなのもかねて、僕自身もですが、定期的に『解散』って言ってみたらどうなのかなと思ったんです」

 現在の中田さんの事務所では、社員が自由に会社に出たいときに出社するスタイルに変貌。「毎日出てきているのが1人だけ」のため、朝礼はできなくなったそうだが、コロナ禍で広まったリモート業務など、新たなワークスタイルを先取りしてきたなかでも、税理士業務を継続しているという。

 その中田さんは、一方で、京都市下京区に、コミュニティースペース「学び場とびら」を開設、運営する株式会社夢びとの代表取締役でもある。「学び場とびら」では、多様な人が混じり合い、SDGsを学ぶ機会創出や起業家育成、新規事業開発などを行っており、その1つが、「ごみカフェKYOTO」事業。京都の家庭や店舗でコンポストを活用し、堆肥を農家の応援や地域緑化、地域のSDGsに役立つよう、ごみを起点としたコミュニティーの輪を広げる取り組みに着手している。

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