昭和を愛する女子大生・阪田マリンです!
皆さんは、コロンとした球体ボディに星座のイラストが描かれた、小さなおみくじ販売機を知っていますか?
正式名称は「卓上小型自動販売機」といい、100円硬貨を入れてレバーを引くと、ルーレットが回転しロール状に巻かれたおみくじが出てくるというしくみ。わかりやすくいうと「卓上おみくじ」です。
その昔、昭和時代の喫茶店やレストランなど飲食店のテーブルには、高確率で卓上おみくじが設置されていたそうです。
最近ではあまり見かけなくなったものの、昨年には大手玩具メーカーからミニチュア版が発売されるなど、レトロな魅力は現在も健在です!
卓上おみくじにもいろいろな種類がありますが、現行のものはほとんどがルーレット付き。この「ルーレット式おみくじ器」を作り続けている、国内唯一のメーカーが『北多摩製作所』(岩手県滝沢市)です。詳しい話を同社営業本部長の進藤卓弥さんに聞いてみました。
進藤さんによると、卓上おみくじは「喫茶店ブーム」と「占いブーム」が全盛期の1960年代に登場し、1980年代に大流行を起こしたといいます。
「当時は、ルーレットではなく灰皿と一体化したものがほとんどでした」(進藤さん)
“望まない受動喫煙の防止”を目的とする改正健康増進法が成立するずっと以前は、飲食店はもちろん、駅のホーム、電車内などさまざな場所での喫煙が可能だったそう。
「喫煙者が多い時代でしたので、普通の灰皿よりも、喫茶客にとっては『話のネタや暇潰しになるおもしろい灰皿』、店側は『儲けの出る灰皿』として魅力的なアイテムだったのではないでしょうか」(進藤さん)
もともと『北多摩製作所』は、パソコン部品を組み立てる際に必要な土台をなどを作製する“金属精密加工”を行う会社。
「卓上おみくじ器の製造はたんなる“副業”だったんです。およそ40年前にスタートしました」(進藤さん)
すでに人気のあった灰皿付きの他社製品に対抗するため、球体上部にドライフラワーをのせディスプレイとしても楽しめるおみくじ器を発売しますが……。