神戸・コンビニ店長窒息死事件 強盗致死罪に問われた元店員に懲役24年判決 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸・コンビニ店長窒息死事件 強盗致死罪に問われた元店員に懲役24年判決 神戸地裁

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 2021年5月、神戸市北区でコンビニエンスストアの男性店長(当時62)を車のトランクに閉じ込め現金などを奪い、窒息死させたとして強盗致死罪に問われた同店の元アルバイト店員の男(29)の裁判員裁判で、神戸地裁は29日、懲役24年の実刑判決を言い渡した(求刑・無期懲役)。

開廷前の神戸地裁・法廷<2022年9月29日午後 ※代表撮影>

 男は2021年5月5日夕方、神戸市北区の駐車場で、男性店長の鼻や口などを粘着テープで巻き、店長所有の乗用車のトランクに押し込み、現金約13万円などを奪ったとされる。男は無免許で、乗用車のハンドル操作がうまく行かずに畑に転落した。

 男は起訴内容を認めており、量刑が争点だった。裁判では男が、実在しない人物からLINE(ライン)で「店長を拉致しろ」と脅され、店長を車に乗せて運転中も「この人物からの指示だ」と嘘をついて、店長に粘着テープを巻いたことなどが明らかになった。
 さらに男は、言葉以外の方法で相手の考えていることを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが苦手な「自閉スペクトラム症(ASD)」という障がいがあるという。

 検察側は、「男が、被害者が片足が不自由だったことを知っていながら狙った」と悪質性を指摘、自らが運転する乗用車が転落した後も放置したことが、被害者の死につながった」などとして無期懲役を求刑する一方、弁護側は「場当たり的で、ずさんだった」として懲役20年程度にすべきと主張していた。

 判決で神戸地裁は、「被告の犯行は計画性があり卑劣だ」と指摘したが、弁護側の主張する場当たり的な側面もあったとして懲役24年を言い渡した。

 男は兵庫県警に強盗殺人、死体遺棄の両容疑で逮捕されたが、神戸地検は証拠関係から殺意の認定は難しいと判断、強盗致死罪での起訴となった。また、死体遺棄容疑については不起訴とした。
 神戸地検は男の犯行当時の精神状態を調べるため、2021年6月11日~11月29日まで鑑定留置した(期間は1回延長)。その結果、刑事責任能力は問えると判断した。

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