「ステンレス」と「チタン」どちらを選ぶべき? 腕時計好きならこだわりたい「外装素材」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ステンレス」と「チタン」どちらを選ぶべき? 腕時計好きならこだわりたい「外装素材」

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金と銅、パラジウムの合金であるセドナゴールドをケース素材に採用したオメガ「シーマスター」。ピンクゴールドより赤みが強いのが特徴(Instagram@ry_a_life_with_watchesさんの投稿より)
金と銅、パラジウムの合金であるセドナゴールドをケース素材に採用したオメガ「シーマスター」。ピンクゴールドより赤みが強いのが特徴(Instagram@ry_a_life_with_watchesさんの投稿より)

 金(Au)、プラチナ(Pt)といった貴金属は、古くより時計ケースの素材として主に高級時計に多く採用されてきました。その理由は、貴金属は耐食性が高く、永きに渡って輝き続けられるからです。また、近年はステンレス鋼がケース素材の中心となっていることから、古くから採用されていた貴金属を見直す動きも活発になっています。

 例を挙げると、銅と金の合金である、ロレックスの「エバーローズゴールド」、またパラジウムを加えたオメガの「セドナゴールド」がその代表格です。これらのケース素材の良さはなんと言っても「ステータス」や「希少性」、そして「光り輝く美しさ」です。金は酸に強く、永きに渡りその「輝き」が失われる事はありません。これからも、貴金属はケース素材の主役にはならなくても、一定数の需要は見込まれると考えます。

 これら以外では、銅(Cu)をメインにしたブロンズ時計を忘れてはいけません。それ以外ではアルミニウム(Al)などのケース素材があり、今後、次々と新しいケース素材が出てくる可能性もあるでしょう。

◆近年主流のチタンの未来予想図は?

チタンを採用したグランドセイコー「SBGA443」。チタンの軽さはぜひブティックで試着して体感して欲しい(Instagram@goroandoさんの投稿より)
チタンを採用したグランドセイコー「SBGA443」。チタンの軽さはぜひブティックで試着して体感して欲しい(Instagram@goroandoさんの投稿より)

 近年素材の軽さから注目されているケース素材がチタン(Ti)です。ステンレスに比べて約60%ほど軽く、金属アレルギーにならない事から腕時計素材に最適と言われています。

 しかし、最大の欠点は「コストが高い」事と「安定供給ができない」ことです。コストの高さの要因は精錬方法にあると言われ、現状の精製法では1トンのチタンを精製するのに2017年時点で100万円以上のコストが掛かるとされています。

 また、紛争などが起きた「有事の際」に大幅に価格が上昇する事も特徴です。これはチタンの最大の需要先が、航空機産業である事に起因します。実際、グランドセイコーは2022年4月、チタン製品8モデルの値上げに踏み切っています。ただ、チタンはたいへん実用的で、将来的に新しい精錬法が見つかって増産が実現すれば、ステンレスから主役の座を奪うかもしれません。

 特にチタンは表面の「マットな仕上げ」が人気となっており、日本人が好む「渋さ」を持ち合わせています。特にミリタリーウォッチやダイバーズウォッチは、これまで以上に「チタンの人気」が高まるかもしれません。

 腕時計に何を求めるかで、本体ケース素材の選び方は変わってきます。購入する前はぜひ、お店でなどで実際に試着し、いろいろな素材を比較してみてくださいね。

(ラジオ関西Podcast『やさしい腕時計』 #17『見た目は同じ?「ステンレス」と「チタン」ではどちらを選ぶべきか』より)


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