2009年から2011年にかけて、姫路市内や東京都内などで元暴力団組員など男性3人が殺害された事件で、首謀者とされ、殺人や逮捕監禁致死などの罪に問われた男(51)について、最高裁第2小法廷は12日付で、被告側の上告を棄却する決定をした。
検察側の死刑求刑に対し、遺体が見つかっていない1件の殺人を無罪とし、無期懲役を言い渡した一・二審判決が確定する。
一連の事件で死亡した3人のうち2人の遺体は見つかっておらず、一審の神戸地裁・姫路支部は 2018年11月、死刑を求刑した検察側の主張に反し、1件の殺人事件については証拠が不十分などとして無罪としたうえで無期懲役を言い渡した。
無罪が認定されたのは、2009年から2010年にかけて、男が共犯者の男と東京都世田谷区の広告会社社長の男性を連れ去り、姫路市内のマンションで檻に入れて監禁したうえ、拳銃で射殺したとされる事件。客観的な証拠はないと指摘された。
一審では、のべ100人以上の証人が出廷し、実質的な審理期間は裁判員裁判としては過去最長の207日(初公判から判決までの公判は70回)にのぼった。二審の大阪高裁も一審判決を支持、被告側のみ上告していた。
なお、この事件で実行役として殺人などの罪に問われた男(56・上告中)については、一・二審とも別の裁判官が審理し、遺体が見つかっていない殺人も含む3人全員の殺害を認定して死刑判決を言い渡しており、判断が分かれている。