食品、日用品、電気代、ガソリンなど、生活に欠かせない物資の値上がりが止まらない。円安や原材料価格の高騰など原因はさまざまだが、我々の財布に厳しい日々はしばらく続きそうだ……。
こんな時代だからこそ、ついつい目に入ってくるのが「お得」なモノ。なかでも筆者が長年気になっているのが、『チェリオ』という飲料メーカーだ。自販機では「ライフガード」や「スィートキッス」など、同社のペットボトル飲料はだいたいどれも100円で販売されている。なぜこのような安価が実現できるのだろうか? 株式会社チェリオコーポレーション(京都府京都市)のマーケティング課・高田さんに聞いてみた。
高田さんによると、まずチェリオ飲料が安く販売されているのは基本的に「自販機のみ」。例外として、スーパーマーケットや駄菓子店など「コンビニ以外」の小売店では店舗独自の設定で手頃価格になっている可能性もあるとのこと。
しかし自販機のみとはいえ、自社商品を安価で販売する理由とはいったい?
「安く販売できる理由は“4つのコスト削減方法”にあります」(高田さん)
コスト削減方法のひとつめは「自社生産」。
「商品のほとんどを自社工場で生産することにより、製造コスト削減が可能です」(高田さん)
ふたつめは「自販機の自社管理」。
「赤白ストライプでおなじみのチェリオ自販機は自社直営なんです。自販機の管理はすべて当社の社員でおこなっているため、業務委託の必要がないのです。これが管理コストの削減になっています」(高田さん)
三つめは「自販機の設置エリア限定」。
「チェリオの自販機の設置は、じつは関西・中部圏に限定されています。自販機の設置を自社工場から近いエリアに絞ることで、輸送コストが抑えられるからです」(高田さん)
ちなみに、関西以外の地域ではチェリオの自販機が設置されていることはほぼ無く、店舗でのみの販売だそう。
ここまでの話で、チェリオの自販機は全国どこにでもあるわけではないことが判明した。よって「チェリオは安い」という認識も、関西・中部圏だけの“あるある”だったのだ!
よっつめは「広告宣伝を一切しない」。
「他の飲料メーカーは広告を大きく展開されているため、宣伝費用が商品の価格に転嫁されています」(高田さん)
CMにお金をかけない分、飲料の安さを実現することができているそう。
では、コストを削減してでも安く販売するのはなぜなのだろうか?
「“安くて大容量”は当社の歴史であり、こだわりだからです」(高田さん)
1965年(昭和40年)、瓶入り炭酸飲料「チェリオ」が発売された。当時の瓶入り炭酸飲料の容量といえば200ミリリットルが主流だっが、チェリオは296ミリリットルという大容量。