【帖佐さん】 「スーパーラジアント温熱パネル」……。この字面がもう怪しいですよね(笑)。いわゆる「お風呂屋さんの遠赤外線風呂が家庭でも味わえる」というものなのですが、本当に効能があるかどうかは定かではありません。
お風呂の壁に貼りつけて、光線が跳ね返るようにして使用するそうです。ですが、実はこの商品、新品未使用のため効果効能は実証されていないんですよ。どなたかぜひ試していただきたいです。一応「特許」と書かれているので、何かしらの効能はあるのかなと思います。
ちなみに、商品はもちろん、裏面もぜひ楽しんでいただきたいですね。怪しいカタカナがたくさん並んでいるので、その文面なんかも楽しんでいただければと思います(笑)。
――1980年代は“健康グッズ”がブームだったのでしょうか?
【帖佐さん】 1970年代後半から怪しげな健康グッズは増えてきますね。身長が伸びる「ぶら下がり健康器」や「睡眠学習枕」「浄化石を入れると水がきれいになるポット」など……。
ほかにも、健康ブームのひとつとしてエアロビも流行しました。当時は体を動かして健康に美しく過ごすことがステータスで、お風呂で健康になるというブームも強かったです。オフロンは、そのようなブームから誕生した商品だと思います。
その後、「透視メガネ」などさらに怪しげな商品も販売されますが、こういったインチキグッズの先駆けとなったのが健康ブームかと思います。
さらに、この時代は英語教材も大流行したんです! 当時は景気が良く、日本にいろんな文化が入ってきていたこともあり欲望まみれの時代だったそうです。英語はステータスのひとつとして学んでいた人が多かったかもしれませんね。
――当時、インチキグッズはどこで手に入ったのでしょうか?
【帖佐さん】 紙媒体の広告から購入される人が多かったのかなと思います。仕入れをしていると当時の雑誌や新聞を見る機会が多くなるのですが、そこにはインチキグッズの広告が載っています。なかには、大人向けの雑誌コラムの端なんかにも載っていたり。興味本位で掲載されている住所を調べると、大体その会社はなくなっています(笑)。