次の「三方湖」は海から最も遠く、五湖で唯一の完全淡水湖。ここには日本海側最大の梅林が広がります。ここで獲れた品質の高い梅は皇室御用達また大相撲優勝力士に献上などにも用いられています。また鳥塚貝塚からは縄文時代の遺物が発見され「若狭三方縄文博物館」に展示されています。
そして、ぜひ立ち寄りたいのが、うなぎ料理店「うなぎ淡水」。近くを走ると鰻（うなぎ）を焼くいい匂いが鼻腔をくすぐります。地元産のうなぎ「口細青鰻（くちぼそあおうなぎ）」のうな重は5500円するのですが、訪れる人が後を絶たない人気店です。
道の駅「三方五湖」を過ぎて、舞鶴若狭自動車道・三方五湖パーキングエリアの真横を抜けると、最後の「菅（すが）湖」へ。ここは野鳥の集まる汽水湖で、湖に近い林道を走り抜けます。周囲は特別鳥獣保護地区に指定されており、オジロワシやオオワシなどを観察することもできます。
まったく違う顔を持つ5つの湖。それぞれに水質や水深がちがうため、水面のブルーの濃さもまったく異なります。そして、とにかく静かで美しいんです。サイクリングコースは湖の間近を走れてアップダウンも少なく、ルート表示も路面にわかりやすくブルーの矢印が敷かれています。
舞鶴若狭道のインターチェンジやJR小浜線の駅からのアクセスも便利。JRの美浜駅や三方駅、道の駅「三方五湖」などにはレンタサイクル店があり、五湖内での乗り捨ても可能です。
今なら秋の景色を満喫しながら走ることができる「ゴコイチ」。これからは名物の寒ブリ・越前カニ・若狭ふぐ・若狭ぐじに、越前蕎麦・へしこなどがあなたを温かく迎えてくれます。（羽川英樹）
