「おいしくて安いものを購入したい」という気持ちが、フードロスの削減だけではなく社会貢献にもつながっていく仕組み、それが「ツナグパン」です。壷井さんは、「福祉施設の子どもたちが『エシカルコイン』でパンを購入することは、社会勉強にもなるはず」と話します。
また、パン購入者と支援対象者が同じ「エシカルコイン」を使うことで、支援を受ける人が特定されにくくなるよう配慮しています。今後は、「エシカルコイン」が使用できるワークショップやマルシェの開催も予定しているそうです。
◆食べきれないパンは冷凍保存 プロ直伝“リベイクのコツ”
『ツナグパン』の袋には10～20個のパンが入っているため、購入当日に食べきれない場合は冷凍保存がおすすめ。冷凍の際は、食パンは1枚ずつ、その他のパンは1個ずつ食品用ラップに包みましょう。冷凍したパンは150度のオーブンで8～10分ほど焼くと、パンの水分が失われにくく焼き立てのような味わいを楽しむことができます。
「パン屋さんは、おいしいパンを作って食べてもらうことが基本です。ケルンは、おいしいパンを食べてもらうことはもちろん、地域の人と社会、どちらからも必要とされる存在を目指しています。」と話す壷井さん。
老舗ベーカリーの新たな挑戦が、フードロス削減に向けた大きな一歩になりそうです。
（取材・文＝岡本莉奈）
