「描かずにはいられない」 障がいをもつ人たちの作品展『がっせぇアート展』兵庫・但馬 10月30日から | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「描かずにはいられない」 障がいをもつ人たちの作品展『がっせぇアート展』兵庫・但馬 10月30日から

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 豊岡市立交流センター(兵庫県豊岡市)で10月30日から8日間、社会参加に何らかの障害がある方々による美術展覧会『がっせぇアート展』が開催される。開催に伴い、劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、代表の茨木やよいさんが出演。これまでの道のりを伺った。

「がっせぇ」は但馬弁で「すごい」を意味する。見る人の心を魅了する『がっせぇアート展』は今年で開催13回目となる。日頃より障がい者らの創作活動を支援する「NPO法人がっせぇアート」が、障害の有無にかかわらず、アート活動を通して一個人として互いに尊重しあえる社会の実現を目指し、開催するものだ。

 第1回開催時は80人の出展だったが、今回は過去最高の287人。14歳から93歳という幅広い世代から、絵画・立体・書道・日記などの多彩な作品が集まった。

「第13回がっせぇアート展」ポスター

 代表を務める茨木さんは、立ち上げのきっかけとなった15年前を振り返り、こう語った。

「『全国障がい者アート作品展』をみる機会があり、その作品のすごさに圧倒された。地元但馬にも『描かずにはいられない』という方がいらっしゃるのではないかと思い、戻ってすぐに但馬各地の作業所などに声をかけました」(茨木さん)

「アールブリュット(生の芸術)が注目を集めています。絵画の場合は、色づかいが素晴らしい」と平田さん。さらに、「最近の脳科学では“人間の脳は光の三原色を別々に認識し、そのあとで統合する機能がある”ということが分かったのですが、その機能を先天的または後天的に失ってしまった方の描く絵画は非常に特徴的です。その色づかいに我々が感動するのは、人間が最初に知覚している色をそのまま表現しているからではないか」と分析した。

 茨木さんによると、最近では、これまでに開催されてきた『がっせぇアート展』をきっかけに知った、目当ての作家がいるという方も多いという。

「来場者の方には、印象に残った作品に投票していただいています。食べ物がおいしい緑豊かな但馬での開催ですので、ひとりでも多くの方のご来場をお待ちしています」(茨木さん)

「がっせぇアート展」代表の茨木やよいさん

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2022年10月27日放送回より

◆第13回がっせぇアート展
期間:2022年10月30日(日)~11月6日(日)10:00-17:00
(最終日は15時まで/初日は14:00~和太鼓演奏あり)
場所:豊岡市立交流センター「豊岡稽古堂」1階ギャラリー
入場:無料
お問い合わせ:特定非営利活動法人がっせぇアート(079-660-3446)

☆☆☆☆☆

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

LINEで送る

関連記事