ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)10月31日放送回では、「2022-23 Yogibo WEリーグ」第2節、INAC神戸レオネッサ対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(千葉L)戦をプレイバック。番組パーソナリティーで元Jリーガーの近藤岳登がINAC神戸の攻撃について、課題と収穫を解説した。
30日に行われたINAC神戸と千葉Lの一戦は、4-2でINAC神戸が逆転勝利。前半、千葉Lに先手を奪われたINAC神戸だが、後半、FW髙瀬愛実選手の2得点やFW田中美南選手の2試合連続ゴール、MF成宮唯選手の今シーズン初得点で、一挙4得点を叩き込み、堅守の千葉Lを打ち破った。
番組にはINAC神戸サポーターから、「先制され、どうなるかと見ていましたが、徐々に落ち着いてきて、髙瀬選手の同点弾や決勝弾、田中選手のゴール、成宮選手の追加弾と、見ていてもドキドキして面白かったです」、「反省点はあるものの、髙瀬が良かった。攻めあぐねていたが、後半からサイド攻撃が機能するようになってきて、髙瀬のゴールで勝てるという感じを持てるようになってきた」、「チームが苦しい時に結果を出す髙瀬選手は素晴らしいです! 決勝ゴールも決めてお見事でした」など感想のメッセージが続々と寄せられた。特に今シーズン初先発で2ゴールを挙げた髙瀬選手を称えるコメントが目立った。
この試合では、田中選手、髙瀬選手の2トップで臨んだINAC神戸だが、「前半は攻めあぐねる形で、なかなかチャンスが作れなかった」と試合後に述べたのは、INAC神戸の朴康造監督。開幕戦で見られた中央からの攻め崩しが機能せず、「うまく分析されて右を封じ込められた」と成宮選手も述べるように、ワイドの片翼をいかせなかったことで、前半はINAC神戸の攻撃が機能不全を起こしていた。試合後の会見で、「ワイドレーンのところが1対1でマッチアップするので、その選手たちが目の前の選手に勝っていくのと、逆にINACがそこに人があまり入ってこないので、そういうところで自分たちが数的優位になればやっつけれるよという話はしていた」と述べていたのは、千葉Lの猿澤真治監督。相手が準備してきた対策に、INAC神戸はまんまとハマってしまっていた。
近藤はこの前半の戦いについて、「(開幕戦で)どんどん縦につける戦いに選手たちが自信をつけていたが、今回はそれが裏目に出ていた」と語る。
「くさびを打ち込む、中にスルーパスを通す、危険なところを狙うというときに、伊藤美紀選手、成宮選手あたりを含めて(チーム全体がパスの出しどころを)顔を上げてちょっと探し過ぎていたように思う。探せば探すほど相手も準備できちゃうし、かなりそこでパスカットされていたので。もう1ランク上に行くためには、いつ、どのタイミングで真ん中に差し込んで行くか、いつどのタイミングで縦にいくのかがすごく重要。だから、ルックアップして探したときに(出しどころが)ないのであれば、次はボールを散らして、相手を動かした後、もう1回もらったボールをワンタッチで入れるなど、そういう戦いにシフトチェンジしていかないと、相手の準備が整っているので厳しくなるのかなと感じた」
それでも、千葉Lの組織的な守備を打ち破った、後半のINAC神戸。特にチームの3点目、髙瀬選手のゴールにつながった形を、近藤が絶賛する。
「3点目のシーンは、右サイドからのクロスや髙瀬選手のシュートも含めて、ワンタッチが5回続いた。だいたいゴールが決まるシーンはワンタッチが続くものだが、あのプレーは本当に素晴らしかった。あれは守備もついていけない。ボールの動きがめちゃくちゃ速いからね。なんであんなにワンタッチを続けてゴールまで行けたのかといえば、選手の距離感が良いから。近い位置にみんながいて、みんなちゃんとその(受け手の)選手が見えているから。(ダイレクトで)トントントンってあわせて、(右の)守屋都弥選手もタイミングを合わせてちゃんと上がってサイドからダイレクトクロス。そして、髙瀬選手のダイレクトでのフィニッシュ。これはチーム力だし、戦術的なもの。やっぱり近くにいたほうがいいよねとみんながわかっているからできたことだと思う」