タイムループ映画として、ユニークな作品ができあがりました。斬新でおもしろい、と話題が広がっています。『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』が現在公開中です。
物語の舞台は、社員7人で切り盛りする小さな広告会社「Zコミュニケーション」です。大手広告会社から急ぎの依頼を何件も受け、社員たちは徹夜を重ねていました。
月曜日の朝。「バンッ!!」と鳩が窓にぶつかる大きな音で、会社に泊まり込んでいた社員全員が目を覚まします。
そこへ、永久部長が出勤してきました。みんなの様子を見て、部長が驚きます。
「わぁ、みんな泊まり? 若いね」
主人公・朱海は、依頼元からの無茶ぶりにめげず、全力で仕事に取り組んできました。
「この仕事が終わったら、憧れの人がいる会社へ転職する」
しかし、次から次へと企画の直しやプレゼン資料の追加を指示されて、余裕がありません。彼氏と会う予定は後回しとなり、ついに別れ話を切り出されています。
月・火・水・木・金・土・日と休みなく働き続け、ある月曜日の朝。後輩の男性2人組が朱海に言いました。
「僕たち、同じ1週間を繰り返しています!」
忙しい朱海には雑談に応じる時間がありません。
「うるさいなぁ」
「よく思い出してください。この仕事、無茶ぶりされたの何回目ですか」
「何回って数えてられないよ」
後輩は真剣な表情で朱海に告げました。
「これだけ聞いてください。タイムループしていても夢の出来事だと思って忘れちゃうんです。忘れないために合図を覚えてくたださい。“鳩”です……」
次の月曜日になりました。
「バンッ!!!」
鳩が窓にぶつかる大きな音を聞き、朱海はハッとします。
「これは先週と同じ?」
そこへ部長が出勤してきました。部長は驚き、こう言います。
「わぁ、みんな泊まり? 若いね」
オフィス内で起こる、同じ出来事、同じ発言、そして同じ仕事。後輩の言うとおり、同じ1週間を繰り返している……。そうだとしたら朱海は、無茶ぶりの仕事に一生苦しみ続けることになってしまいます。