劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、豊岡市民プラザ館長の岩崎孔二さんが出演。但馬における文化事業の仕掛け人に、これまでの道のりを伺った。
番組冒頭、岩崎さんを「何しろ、岩崎さんがいなければ私は豊岡に住んでいません。突破力のスゴイ人です」と評した平田さん。12年前、平田さんが文化講演会で豊岡を訪れた際、城崎国際アートセンター(当時:城崎大会議館)の利用法について相談を持ちかけたのが岩崎さんだったのだ。
もともと岩崎さんは市職員として都市計画事業に従事しており、「地域文化活動・子育て支援の拠点づくり」をテーマに掲げた市民プラザの創設にも関わっていた。
豊岡市民プラザは平成16年4月、JR豊岡駅前アイティビル7階に開館。演劇やコンサート、講演会を行う多目的ホールや練習室、市民が自由に使える共有スペースの交流サロンを有し、平成25年からは公設民営の文化施設として「NPO法人プラッツ」が運営している。
当初、駅前ビルにはボーリング場の計画もあったが、収支面や文化拠点としての活用を踏まえ再検討。天井の高い卵型の屋根は劇場に適していると考え、市民も利用できる「ほっとステージ」が設置されることとなった。
収容人数250人のホールでは自主事業として、市民劇団「演劇FACTORY」や小中高生対象の「劇の学校」、実践的に舞台づくりを学ぶ「アートスクール」、さらに近年では大人向けの戯曲講座「おとなの演劇学校」を開講するなど、市民の創作活動を支援する豊富なプログラムを展開している。
これらの自主公演や講座には、第一線で活躍するプロも参画。やがて国内外で活躍するアーティストが豊岡を訪れるようになり、平成23年度には、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰(けんしょう)する「地域創造大賞(総務大臣賞)」も受賞した。