2010年バンクーバー冬季オリンピックの銀メダリストで、現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する浅田真央さんが出演、プロデュースするアイスショー『BEYOND』。その京都公演が、11月12日(土)と13日(日)の2日間、京都市右京区の京都アクアリーナで開催された。
関西では滋賀、兵庫に次いで3都市目となった『BEYOND』京都公演。12日、2回目のショーでは、浅田さんをはじめ鍛え抜かれたスケーターたちが縦横無尽にリンクを疾走し、2300人の観衆を魅了した。
「シング・シング・シング」や「アイ・ガット・リズム」といったジャズのスタンダードナンバーでテンポよくスタートしたアイスショーは、浅田さんが現役時代にも使用していた曲「シェヘラザード」で、早速ペアパートを披露。大人らしさ、妖艶さあふれる演技で観衆をくぎ付けにした。
ほかにも、「カルメン」「白鳥の湖」などの楽曲に乗せて、グループでの統率のとれた演技あり、ソロパートあり、そして浅田さんの現役時代を彷彿とさせるような迫真の滑りもあり。キャスト陣のスケーティングもスピーディーでキレが良く優雅で、間近で見守る人たちはもちろん、スタンド席までもその迫力が伝わってくるほど。さらに3面の大型スクリーンに映し出された映像やダイナミックな音響を含めた演出は、まるでライブを観ているような感覚に。約90分間、ノンストップで彩られた華やかな世界は、オリジナルテーマソングでフィナーレを迎えた。『BEYOND』(日本語で「超えて」)のタイトル通り、これまでにない、こだわり抜かれたアイスショー。アリーナに集った老若男女からのスタンディングオベーションが鳴りやまなかった。
公演後、浅田さんは「無事に終えることができて、とてもホッとしています。たぶん初めて見る方もたくさんいらっしゃったと思うのですが、最後は皆さん、笑顔や拍手を送ってくださり、とてもうれしかったです」と述べ、「(スタンディングオベーションは)本当にやってよかったなって思える瞬間です」と笑顔を見せた。
『BEYOND』公演では、パートナーに身をゆだねながらのペア演技にも挑戦中の浅田さん。「大きなリフトやスロージャンプ、スピンは、ちょっとした気の緩みがあったり集中力が欠けたりすると、大きなけがにつながってしまう。毎回集中して臨んでいます」と気を引き締める様子は、ショーに全力で取り組む証といえよう。