◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.95
JR西日本の草津線は、琵琶湖線の「草津」(滋賀県草津市)と関西本線の「柘植」(三重県伊賀市)を結ぶ約37kmの路線です。
出発地の「草津」は、滋賀県のJR駅で最も乗降客の多い駅。東口には百貨店・マンションやアーケード商店街が並びます。また琵琶湖側の西口には、大型ホテルや大規模商業施設があり、滋賀県で一番にぎやかな駅となっています。
草津線が鉄道ファンにうれしいのは、国鉄形電車であり、 “絶滅危惧種”といわれる113系や117系が、今も元気に走っているということです。
113系は1963年に登場して初代新快速として活躍し、来年(2023年)還暦を迎えるベテラン車両。草津線には1980年の全線電化と同時に投入されました。一般的には緑とオレンジの湘南色のイメージが強いのですが、今は京都・北近畿地域色の緑をまとって4両編成で走ります。
117系は京阪神地区で1980年に登場し、新快速『シティライナー』として活躍しました。今は主に朝夕のラッシュ時に「京都」~「柘植」間を6両で運用されます。
113・117系とも現役引退の時期が間近に迫っており、湖西線やこの草津線など乗れる区間は限られている貴重な車両です。
草津線はローカル線に位置づけられますが、朝夕は8両連結でも運転され通勤通学客でかなり混雑します。また、線形がほぼまっすぐなこともあって、最高時速は95㎞/hに設定されています。
「草津」を出発後、近江富士(三上山)が見えて湖南市に入ると「石部」。ここは東海道51番目の宿場町で、かつて京都から江戸に向かった場合、1泊目がこの石部になりました。