プロのパティシエが洋菓子技術を競うコンクール「ルクサルド・グラン・プレミオ」。1993年から始まったこのコンクールは、若手パティシエの登竜門としても知られています。昨年9月に行われた第28回決勝大会で優勝を果たした「パティスリーリッチフィールド」(神戸市西区)の山田貴典さん(32歳)。神戸を拠点に活躍する山田さんに、お菓子作りへの思いを聞きました。
香川県出身の山田さんは、高校卒業後、大阪の専門学校で製菓技術を勉強。たまたま百貨店で購入したケーキのおいしさに魅了され、「パティスリーリッチフィールド」に入社しました。現在は焼き菓子を中心に、リッチフィールドを支えるパティシエのひとりとして働いています。
神戸に来て、洋菓子店の多さに驚いたという山田さん。「僕の地元では、ケーキ屋さんは町に1軒程度。でも、神戸はいたるところに洋菓子店があります。お菓子文化が根付いている地でパティシエとして働けるのは、やりがいもありますし幸せなことだとつくづく感じます」と話します。
山田さんはパティシエとしてリッチフィールドで働くかたわら、数々のコンクールにも挑戦しています。
「絶対に負けられない」という強い思いで挑んだのが、昨年9月に行われた「第28回ルクサルド・グラン・プレミオ」です。
「ルクサルド・グラン・プレミオ」は、一般社団法人日本洋菓子協会連合会主催、ドーバー洋酒貿易株式会社後援によるイタリア・ルクサルド社製の洋酒を用いた洋菓子のコンクール。昨年は、「ルクサルド社創業200周年」をテーマに、全国のパティシエがピエスモンテ(飴細工)と、オレンジドライと杏仁リキュールを使用した2種類のプチガトーで勝負しました。
書類審査を経て5人が出場できる本選では、4時間以内に作品を仕上げます。限られた時間の中で見た目と味の両方を追求する競技です。山田さんは、4度目の挑戦で見事優勝を果たしました。