『おひとりさま』終活 高齢者人口過去最多 弁護士に聞いた「判断能力が衰える前にできること」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『おひとりさま』終活 高齢者人口過去最多 弁護士に聞いた「判断能力が衰える前にできること」

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 日本の総人口は前年に比べて82万人が減少している一方で、65歳以上の高齢者人口は前年に比べて6万人が増加し、3627万人という過去最多となりました(2022年9月15日現在「総務省統計局より」)。

 高齢者人口の増加にともない、高齢者の1人暮らしを指す「おひとりさま」が増加しています。おひとりさまのなかには、身近に頼れる人がいないことに不安を持つ方も多いのではないでしょうか。おひとりさまが抱える問題や、日々の生活でどのような準備が必要なのか、おひとりさまの終活について弁護士の種谷有希子先生に聞きました。

――超高齢化社会の日本では1人暮らしの高齢者も多いですが、いわゆる「おひとりさま」にはどのような問題があるのでしょうか。

【種谷弁護士】 現代社会のなかで、1人で老いを迎えることは決して稀なことではありません。生涯独身で働き続けてきた場合や、結婚しても死別または離別した場合、またお子さんがいても、海外や遠方に居住しているなどのさまざまなケースで「おひとりさま」になりうるのです。さらに、国内の生涯未婚率は上昇を続けているため、単身世帯の高齢者は将来的にさらに増えると考えられます。

――備えをしておかないと、どのようなことが起こりうるのでしょうか?

【種谷弁護士】 実際にあった事例なのですが、夫と死別した高齢で1人暮らしの女性宅に、リフォーム業者が頻繁に訪問していました。その業者の動きを不審に思ったご近所の方が役所に連絡し、そこから私に連絡がありました。調査をした結果、預金から約1億円がなくなっていることが判明しました。

 その後、私が後見人となり、お金の返還を求めて裁判を起こしましたが、結局ほとんど回収することはできませんでした。このような被害にあうのは、決しておひとりさまに限ったことではありませんが、身近に相談できる人がいないと被害にあいやすくなるといえます。

――おひとりさまであっても、相談できる相手がいると安心できますよね。

【種谷弁護士】 高齢者の不安を解決するために家族と同居をすることも考えられますが、それぞれの家庭の事情によって同居やサポートを受けられない(または受けたくない)といった状況もあるはずです。

 判断能力が衰えたときに、財産の管理や身の回りの世話をする人を家庭裁判所が選ぶ「法定後見制度(ほうていこうけんせいど)」というものがあります。しかし、後見人に会うのは判断応力が衰えてからになるため、介護方針やどのような医療を受けたいかなど、本人の希望が聞き出せないことも多くあります。

 そのため、元気なうちに依頼しておくことができる「任意後見制度(にんいこうけんせいど)」というものがあります。

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