猫だけをアップするSNSアカウントや、猫の写真展、展示会などが行われるほど「猫ブーム」真っ只中の現在。そんな猫ブームの元祖ともいわれる存在が誕生したのは1980年代のこと。学ランや特攻服など、暴走族風の服を着た猫のキャラクター「なめ猫」が一大ブームとなりました。開発のきっかけや当時の売れ行きなど、なめ猫の権利を保有する「NAMENEKO JAPAN」の代表取締役を務める田中さんに話を聞きました。
――なぜ猫を題材にしたのでしょうか?
【田中さん】 なめ猫の生みの親である津田さんから聞いた話ですが、猫といえば、当時は今ほどの人気があったわけではなくただのペットという感じでした。しかし、猫に対して「かわいい」という認識は多少あったので、かわいい路線の猫商品をいくつか作ったそうです。
ただ、単にかわいい猫商品ではなくギャップを持たせることができれば、という思いから、学ランや革ジャンなどを着せる“とがった”企画が誕生しました。想定していたかどうかは分からないですが、愛らしい猫の顔と暴走族風の服装のギャップが大反響を呼びました。
――どのような商品が売れたのでしょうか?
【田中さん】 1980年に発売した「なめ猫ポスター」から人気に火がつきましま。その後、猫の写真が入った免許証風のカードが1200万枚の売り上げを記録し、なめ猫商品だけで600億円ほど売り上げたそうです。海外に向けた商品も発売しており、当時の経済効果は1千億円とも言われています。
――どの世代から人気だったのですか?
【田中さん】 ファン層が幅広いのが特徴なのですが、そのなかでも特に20代前後のOLの方たちからの人気が高かったと聞いています。