放送局では、放送の円滑な送信のため、設備を定期的に整備する更新作業を行っています。今年、ラジオ関西の豊岡放送局で送信機の更新作業が行われました。普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ関西の送信所の説明とともに、今回の送信機更新作業について番組のなかで解説しました。
兵庫県神戸市から放送を行っているラジオ関西。AM558kHz、出力20kWのAMラジオ送信所(親局)は、明石海峡をはさんで南側の淡路島(淡路市小磯)にあります。2本のAM送信アンテナは、東経135度「子午線」付近にあることにちなんで、高さが135メートル、2本の間隔も135メートルに設定。淡路島の高速道路を車で走っていると、迫力ある鉄塔が見えてきます。
そして、ラジオ関西はもう1つ、兵庫県北部の豊岡市出石町にもAMラジオの送信所を持っています。こちらの豊岡放送局(但馬中継局。周波数1395kHz、出力1kW)は、1992年5月1日に親局の外国同一周波数による混信の解消を目的として開局。同年7月には開局記念事業として、豊岡市の「こうのとりスタジアム」からプロ野球のオリックス対ダイエー戦を生中継しました。そして、豊岡放送局は今年で30周年を迎えます。
以前は神戸(淡路)の558kHzと豊岡の1395kHzで、違う内容を放送していたこともありました。兵庫県北部のスキー場とスキー場に向かうドライバー向けにオンエアされたのは、音楽と積雪情報を盛り込んだ『但馬スノーステーション』。 また、神戸新聞但馬総局と電話をつないで、但馬のニュースや話題を伝える 『アイラブたじま』なども、親局と別編成で放送されていた番組の1つです。
放送局では、放送設備を定期的に整備する更新作業を行いますが、2022年10月には、豊岡放送局送信機の更新が行われました。
ラジオ関西は、2020年に豊岡放送局の送信機や回線の更新計画を立てました。具体的には、カナダ・ノーテル社製1kW送信機2台、放送の回線には光回線を2回線導入し、放送本線と予備回線を構築するというもの。今回実施した更新作業により、遠方の送信機の状態を神戸・ハーバーランドの本社から監視し、送信機の切り替えなど制御を行うことができます。
この番組のパーソナリティーの1人で、ラジオ関西技術センター(一級陸上無線技術士)の辻正明は「送信機や送信所の設備部品の確保や、送信技術の継承など、ラジオ業界の技術面にはたくさんの課題がありますが、地域や生活のライフラインとして、重要なメディアの役割を担っているので、しっかり、維持管理を続けていきたい」と話しています。
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2022年12月4日放送回より
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【放送音声】2022年12月4日放送回