「変化する酒蔵建築」木造からレンガ、鉄筋コンクリートへ 明治時代の絵図も初公開 白鹿記念酒造博物館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「変化する酒蔵建築」木造からレンガ、鉄筋コンクリートへ 明治時代の絵図も初公開 白鹿記念酒造博物館

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白鶴本店「弐号蔵」(神戸市東灘区) 1958(昭和33)年頃撮影 ※画像提供・白鶴酒造株式会社
建設中の白鶴本店「弐号蔵」 ※画像提供・白鶴酒造株式会社
白鶴本店「弐号蔵」夜景 1958(昭和33)年頃撮影 ※画像提供・白鶴酒造株式会社
白鶴本店「弐号蔵」日本最初の高層酒蔵(6階建)1952(昭和27)年竣工

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■興味深いのは、辰馬本家酒造「旧白鹿館」~モダニズムを感じるアーチが特徴

蒲鉾型のボトリング工場「辰馬本家酒造・旧白鹿館」(建設中の写真)1930(昭和5)年竣工 約24m×64mの連続アーチで支柱を使用していない <※画像提供・白鹿記念酒造博物館>
竣工後の「辰馬本家酒造・旧白鹿館」(手前・醸造蔵/奥・ボトリング工場)<※画像提供・白鹿記念酒造博物館>

 1929(昭和4)年~1930(昭和5)年にかけて完成した鉄筋コンクリート造の近代的な醸造蔵と、鉄筋鉄骨コンクリート造のボトリング(瓶詰)工場。設計・石川純一郎、施工・竹中工務店。日本の近代建築史上でも評価が高いが、2010年に閉鎖、解体された。

 メインのボトリング工場は約24m×64m・高さ約11mの大天井の下に、支柱を1本も使わないアーチ構造法を採用している。一見すると鉄筋コンクリート造に見えるアーチ構造は、実は鉄骨造だった。

旧白鹿館・工事費用計算簿 ボトリング(瓶詰)工場については鉄筋コンクリート造と記されている
旧白鹿館 縮尺模型(東側から望む)当時のパンフレットには「これを南側より望めば、六甲の連峰を背に恰(あたか)も鳳翼(ほうよく)を拡げたるが如き~」と記されている

 日本では1980~90年代に「地酒ブーム」が到来、しだいにワイン、焼酎、近年はハイボールにレモンサワーと変遷するなど、酒の好みも多種多様になったが、日本の“SAKE”は海外でも人気が高まる。

 清酒造りは江戸時代以来、杜氏や蔵人が携わってきたが、その数は減少傾向にある。近代的な酒蔵では、従来の杜氏だけでなく醸造機械の使用、コンピューター管理も進み、労力や人出を必要とする作業にはロボットの導入も進んでいく。特別展示「変化する酒蔵建築」では、こうした背景とともに、酒蔵の変化も楽しめる。

白岩(富山県立山町)の酒蔵 立山連峰との調和を意識した大屋根が特徴的
“四季醸造”の「戎蔵」は昭和の高度経済成長とともに活躍、平成・令和へたすきをつないだ

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