満州出身の加藤登紀子 「人々は生き抜かなければいけない」 川嶋あいに語る、チャリティーアルバムに込めた思い | ラジトピ ラジオ関西トピックス

満州出身の加藤登紀子 「人々は生き抜かなければいけない」 川嶋あいに語る、チャリティーアルバムに込めた思い

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。12月4日の放送では、歌手の加藤登紀子さんがゲストに登場。自身の歌手生活のほか、波乱の人生を振り返りながら、今年リリースしたチャリティーアルバムに込めた思いを語った。

歌手の加藤登紀子さん(写真左)、番組パーソナリティ・シンガーソングライターの川嶋あい(同右)

 東京大学在学中にシャンソンコンクールで優勝したことをきっかけに、歌手デビューを果たした加藤さん。『知床旅情』や『百万本のバラ』など数々のヒット曲をリリースし、ニューヨークにあるカーネギー・ホールで日本人女性として初めてのコンサートを開催しました。

 スタジオジブリ作品『紅の豚』に声優として出演するほか、陶芸や執筆活動など、マルチに活躍しています。さらに、芸能活動の傍ら、被災地支援や環境問題にも取り組んでおり、今年発売したチャリティーアルバム『果てなき大地の上に』は売上の全額をウクライナ支援のために寄付しています。

 今から10年前、加藤さんが主催した東日本大震災の復興ライブに参加した経験がある川嶋。加藤さんに宛てた手紙がきっかけで出演が決まったそうで、加藤さんは「あなたの歌を聴いて泣きました」と当時を振り返りました。

 1988年と1990年の2度にわたり、ニューヨークにあるカーネギー・ホールでコンサートを敢行した加藤さん。1987年に実施したアメリカツアーを訪れた女性の「あなた(加藤さん)の歌を気に入った」というひと言がきっかけで実現したそうで、アメリカに住む日系アメリカ人を支援するチャリティコンサートとして開催されました。

 ロシアや韓国、沖縄の楽曲など幅広いジャンルの音楽を披露し、自分らしさをめいっぱいに詰め込んだコンサートは大盛況に終わり、コンサート翌日にはニューヨーク・タイムズにも取り上げられたのだそう。記者の言葉からは「真っ直ぐ純粋に歌手として見てくれた」ことが伝わってきたといい、世界中から人々が集まり文化が生まれているニューヨークの雰囲気に「開放感を感じてうれしかった」と明かしました。

 満州・ハルビン市に生まれ、その後、シャンソンコンクールでの優勝をきっかけに歌手デビュー。しかし、「日本人歌手として通用する歌手にならなければ」という思いから、シャンソンを歌うことをやめていた時期があったそう。満州国に生まれたこと、そして日本人としてのアイデンティティーもあること。「波乱の風のなかをかいくぐって生きてきた」と、これまでの人生を思い返しました。

 満州での戦争や、敗戦後の日本への引きあげにいたるまでの経緯など、自身の経験を現在のウクライナ情勢に重ねている加藤さん。「この世界の歴史のなかでは、誰もが加害者であり被害者」だといい、そのうえで「たとえ国と国が戦争をしていても、人々はとにかく生き抜かなければいけない」と力強く語ってくれた。

歌手の加藤登紀子さん(写真右)、番組パーソナリティ・シンガーソングライターの川嶋あい(同左)

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『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】

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明日への扉~いのちのラジオ+~ | ラジオ関西 | 2022/12/03/日 17:00-17:30

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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