令和も続く“手描き”映画看板 唯一の職人が大阪に 「手描きの良さを孫の代まで伝えてほしい」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

令和も続く“手描き”映画看板 唯一の職人が大阪に 「手描きの良さを孫の代まで伝えてほしい」

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【八条さん】 当時は、ほかにも手描き看板の絵描きがたくさんいたんですよ。看板を見たお客さんには、ほかの人と比べて「ここが変や」「全然似てへん」とか、もうえげつない事を言われたりもしましたね(笑)。でも、それも楽しかったです。描く人によって色が出る。映画館によって看板が違って、雰囲気も変わる。お客さんもそれを見て楽しんでくれていたんじゃないかな。

今では、僕の描いた看板を見て、関東や広島など、遠くからこの工房に訪れて「見学したい、話したい」という人も結構いるんですよ。

――やりがいは?

【八条さん】 私はお客さんを楽しませるために作っています。陰影がはっきりするように作ったり、ちょっと誇張したり。アクション映画ならダイナミックに、恋愛映画なら優しく描いてみたり。そうやって人の目をひきつけることが、手描き看板ならできる。お客さんが喜んでくれることがやりがいですね。

制作中の看板に文字を描く八条さん

――今までで最も印象に残っている作品は?

【八条さん】 10年ほど前に梅田の映画館で描かせていただいた、縦4メートル×横10メートルくらいの『アベンジャーズ』の看板ですね。私が今まで制作したなかで1番大きかったですね。大きすぎて工房には立てられなかったので、外の道路に並べて上から見て確認して、完成までに3週間もかかりました。

映画『アベンジャーズ』の巨大手描き看板(八条さん撮影)

――お弟子さんを取る予定は?

【八条さん】 自分だけで精一杯で、そんな余裕はないですね。私が描けなくなって、手描きの看板が更新されなくなるのは悲しい。だけど今、看板を見て「懐かしい」と思ってくれる人がいれば十分。父親が残してくれた仕事が何より楽しいんですよ。

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Clip | ラジオ関西 | 2022/12/15/木 15:00頃~

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