国宝「金鶴及銀樹枝」など平安時代の名品一堂に 奈良博「春日大社 若宮国宝展」 2023年1月22日まで | ラジトピ ラジオ関西トピックス

国宝「金鶴及銀樹枝」など平安時代の名品一堂に 奈良博「春日大社 若宮国宝展」 2023年1月22日まで

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 世界遺産・春日大社(奈良市)の摂社、若宮神社で20年に1度行われる大規模修理「式年造替」が完了したのを記念した特別展「春日大社 若宮国宝展 祈りの王朝文化」が奈良国立博物館(奈良市)で開催されている。2023年1月22日(日)まで。

奈良国立博物館(奈良市登大路町)
奈良国立博物館(奈良市登大路町)

 若宮神社は1135年創建。春日大社本殿の南約100メートルに位置し、本社の祭神の御子神(みこがみ)が祀られている。社殿には、平安時代の貴族が奉納した貴重な神宝や美術品などが伝わっており、今回の展示ではその中から、国宝25件、重要文化財10件を含む89件が紹介されている(前・後期で一部入れ替えあり)。

「春日大社 若宮国宝展」入り口
「春日大社 若宮国宝展」入り口

 特筆すべきは、同神社創建時に藤原摂関家をはじめとする貴族が納めた品々で、国宝の「若宮御料古神宝類」(わかみやごりょうこしんぽうるい)が20件すべて一挙公開されていること。太刀や弓、飾り、楽器類など当時の最高峰の技術が結集した逸品ぞろいで、中でも、羽を広げた純金の鶴が銀の枝に止まる姿を表した工芸品「金鶴及銀樹枝」(きんつるおよびぎんじゅし、鶴の高さ4.7センチ)は、その繊細な造形美で目を引く。

若宮御料古神宝類 金鶴及銀樹枝・銀樹枝 春日大社
若宮御料古神宝類 金鶴及銀樹枝・銀樹枝 春日大社
若宮御料古神宝類 銀鶴及磯形 春日大社
若宮御料古神宝類 銀鶴及磯形 春日大社

 平安時代、藤原摂関家が若宮神社に奉納したとみられるもので、春日大社国宝殿の松村和歌子主任学芸員は、「羽の形など、実際の鶴をよく観察し、構造を理解した上で非常に細やかに作られている」と指摘する。X線CTスキャンなどで調査した結果、首と背中、翼が一体の鋳造で、細部を彫り仕上げた制作技法であることが判明したという。

 銀の枝は、銀塊から枝先を割り広げていき、松の樹形にしたもの。同学芸員は「おそらく鶴よりも時間を掛けて制作されている。ある程度単純化しながら、松だと分かるように表していて、デザイン力も大変優れている」と絶賛する。

金鶴洲浜台 復元新調と銀鶴及磯形 復元新調 春日大社
金鶴洲浜台 復元新調と銀鶴及磯形 復元新調 春日大社

◆式年造替記念特別展「春日大社 若宮国宝展 祈りの王朝文化」
会場:奈良国立博物館(〒630-8213 奈良市登大路町50)
会期:2022年12月10日(土)~2023年1月22日(日)
※前期展示は12月25日(日)まで。
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:1月2、9日以外の月曜日と12月28日~1月1日、1月10日。
観覧料(税込):一般1,600円、高大生1,400円、小中生700円
問い合わせ:ハローダイヤル050-5542-8600

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