国宝「金鶴及銀樹枝」など平安時代の名品一堂に 奈良博「春日大社 若宮国宝展」 2023年1月22日まで | ラジトピ ラジオ関西トピックス

国宝「金鶴及銀樹枝」など平安時代の名品一堂に 奈良博「春日大社 若宮国宝展」 2023年1月22日まで

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 めでたい場に飾られた洲浜(すはま)台という飾りの一部とみられ、当時の文献と照らし合わせるとサイズが小さめであることから、同学芸員は「子どもの神である若宮様にふさわしいようにスケールダウンして作った」と推測。「若宮神社創建の際、卓越した技術を持つ職人にオーダーし、お祝い品として納められたのでは」とみる。

 平安時代に作られた洲浜台は、歌会や婚礼、長寿の祝いなどの席のために1回だけ展示された後は保存されることはなかったという。

 同学芸員は「『平安の正倉院』と称される若宮神社に納められたからこそ、タイムカプセルのように伝世した貴重な品。春日大社に伝わる奈良時代の美術工芸品と異なり、若宮神社のものは平安時代の流行が感じられ、当時最先端のモダンスタイルだったのだろう」と話す。

展示の様子
展示の様子

 今回の展示では、現代の名工がよみがえらせた6点の復元品も紹介。人間国宝(彫金)の桂盛仁さんが手掛けた「金鶴…」の復元品をはじめ、太刀、平胡籙(ひらやなぐい、矢を納めて携帯するための道具)なども古今の作品が並べてあり、見比べて楽しむことができる。

若宮御料古神宝類 平胡籙 春日大社
若宮御料古神宝類 平胡籙 春日大社
若宮御料古神宝類 平胡籙 復元模造 文化庁
若宮御料古神宝類 平胡籙 復元模造 文化庁

 そのほか、やまと絵の傑作で、若宮神社が登場する「春日権現験記絵 巻第七、巻第十三」(国宝、鎌倉時代)、源義経が形見に残したと伝わる、手と腕を護る具足「籠手(伝源義経所用)」(こて、同)なども公開。

 奈良国立博物館の井上洋一館長は「宝物は、多くの人の努力によって今日まで受け継がれてきた。そんな(宝物を守ってきた)人々がいたということにも思いを馳せてもらって、現代に残るすばらしい文化財を見てほしい」と話している。

籠手(伝源義経所用)春日大社
籠手(伝源義経所用)春日大社
獅子・狛犬、本殿千木など いずれも春日大社
獅子・狛犬、本殿千木など いずれも春日大社

◆式年造替記念特別展「春日大社 若宮国宝展 祈りの王朝文化」
会場:奈良国立博物館(〒630-8213 奈良市登大路町50)
会期:2022年12月10日(土)~2023年1月22日(日)
※前期展示は12月25日(日)まで。
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:1月2、9日以外の月曜日と12月28日~1月1日、1月10日。
観覧料(税込):一般1,600円、高大生1,400円、小中生700円
問い合わせ:ハローダイヤル050-5542-8600

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