ハリウッド俳優のマイケル・J・フォックスが公表したことで、より多くの人々に知られることとなった「パーキンソン病」。人口の高齢化にともなって発症人数は大きく増えており、日本でも患者数は年々増加の一途を辿っている。人々にとって身近な病気になりつつある難病「パーキンソン病」について、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の平田温(ひらた・ゆたか)所長に詳しく聞きました。
――吉田病院にもパーキンソン病治療センターができたのですね。
はい。パーキンソン病に特化したセンターができました。
――パーキンソン病とは、どのような病気なのでしょうか?
一般的には、振戦(しんせん)と呼ばれる震え、無動(むどう)あるいは動作緩慢(どうさかんまん)、筋強剛(きんきょうごう)という筋肉が固くなる症状、さらに、転びやすくなる姿勢保持障害(しせいほじしょうがい)などの運動症状が主な病気を指します。50歳以上で起こると言われていますが、なかには40歳以下の方が発症することもあり、その場合は「若年性パーキンソン病」と呼ばれます。近年では、ハリウッド俳優のマイケル・J・フォックスさんがパーキンソン病を公表されたこともあり、ご存知の方も多いかもしれませんね。
――つまり、徐々に体が動きづらくなる病気なのでしょうか?
基本的にはそう考えて問題ありません。発症してすぐは半身で症状がみられることが多いため、「脳卒中なのでは?」と心配して来院される方が多いですね。その後、少しずつ全身が動かなくなっていきます。
――どれくらいの期間をかけて進行していくのでしょうか?
個人差が大きいのですが、数年にかけて症状が出てくることが多い。しかし、発症してすぐに来院される方は非常に少なく、症状がかなり進行した後に来られる方がほとんどですね。