進歩し続ける医学 「パーキンソン病」の二大治療法『薬物療法』『運動療法』について 医師に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

進歩し続ける医学 「パーキンソン病」の二大治療法『薬物療法』『運動療法』について 医師に聞く

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 これまで、指定難病とされている「パーキンソン病」とはどのような病気なのか、症状や原因について詳しくご紹介してきました。人々にとって身近な病気になりつつあるパーキンソン病は、果たして完治することはできるのか? そもそもどのような治療がなされているのかについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の平田温(ひらた・ゆたか)所長に詳しく聞きました。

――パーキンソン病にはどのような治療法があるのでしょうか?

L-dopa(エル・ドーパ)という薬が発見されたことにより、1960年以降は薬物療法が非常に進歩しました。さらに、体を動かすこともとても大切な治療となりますので、薬物療法と運動療法は二大治療法とされています。

――運動療法ですとリハビリが中心になると思うのですが、どのようなリハビリを行うのでしょうか?

基本的に、パーキンソン病の方は動きが小さくなるとされています。書く文字や発声も小さくなってしまうため、それらを大きく動かし改善するという治療が主体となります。

――文字や声が小さくなるということは、筋肉が固まってしまうことが原因なのですか?

さまざまな症状が組み合わさることで起こるのですが、これらの症状は体の左右いずれかから始まります。たとえば、右半身から始まった人は文字が非常に小さくなってしまうことが多く、それにより体に異常が起こっていると自覚します。この場合、「L-dopa」という薬を服用することで文字が大きくなっていき、回復を実感することができます。

――薬物療法以外に、外科的な治療法もあるのでしょうか?

外科的な治療法としては、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimukation:DBS)というものがあります。脳の中に電極を入れて神経細胞を刺激するという治療法で、これにより動作が大きくすばやくなったり、体の震えが治まったりするなどの改善が見られます。この治療法は、ある程度症状が進行した患者さんに適用されるのですが、劇的な改善が見られることがあるので、2002年以降に日本でも保険が適用されるようになりました。

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