1980年代に青春を送った男女。その後、過ごしてきた現代までの40年間を描くイタリアのヒューマンドラマ。映画『離ればなれになっても』が12月30日(金)、公開されます。
1982年、イタリア・ローマ。16歳の少年ジュリオは、友だちのパオロとともに近くで起きた暴動を興味本位で見に行きます。2人は、現場で流れ弾に当たって血を流して倒れていたリッカルドを救出します。それ以来3人は一緒につるむようになり、親友として喜びと悲しみを共有する日々を送ります。
パオロは同級生のジェンマと恋におち、大晦日のカウントダウンパーティーの帰りに、初めてキスを交わします。ジェンマはパオロと同じように父を亡くし母親とふたり暮らしでした。
3人にジェンマが加わり、中古のボロ車でドライブへ行ったり、飲んだり歌ったりして青春を謳歌します。
こうした中、突然ジェンマの母親が病気で亡くなり、ジェンマはナポリに住む伯母に引き取られることになります。パオロとジェンマは「愛してる」「忘れない」と誓い合い、ジェンマは旅立ちます。
パオロはナポリのジェンマに手紙を何通も送っていましたが、ジェンマは返事を書きませんでした。ジェンマには新しい恋人ができ、18歳で伯母の家を出て恋人と一緒に暮らしていました。
1989年、ベルリンの壁が崩壊した年。ジュリオ、パオロ、リッカルドは大学を卒業します。ジュリオは弁護士、パオロは教員、リッカルドは俳優として映画界へ進みました。
ある日、パオロが母親の経営するカフェを手伝っていると、店の前をジェンマらしき女性が通り過ぎました。パオロが呼び止めます。
「ジェンマ!」
「パオロ」
ジェンマは服装もメイクも派手になっていて雰囲気がずいぶん変わっています。恋人と一緒でした。
この数日後、ジェンマはパオロの自宅で暮らし始めます。
リッカルドが結婚することになり、4人はパーティーで久しぶりに顔を合わせました。ジュリオは弁護士として「何もかも失った人たちの力になりたい」と熱く語り、ジェンマはジュリオに惹かれます。ジュリオもジェンマの妖艶な魅力に心を奪われます。ジュリオはパオロを訪ね、告白します。
「ジェンマを愛してしまった」
パオロは怒りと悲しみを爆発させます。
「親友だと思っていたのに!」
友情に大きな亀裂が入りました……。